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新興市場「魔の2月」と中国利上げ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

中国がインフレ対策で金融引き締め強化に動くタイミングが近いとの観測がくすぶっている。最近のチュニジア、エジプトなどアフリカにおける政情不安も、それを後押す要因になっているようだ。

◆中国利上げの可能性
中国で物価上昇への懸念が強まっている第一の理由は、このところの寒波の影響があるだろう。昨年10-12月期には、落ち着く気配も見せていた物価動向だが、最近にかけての寒波の影響などで野菜価格などを中心に物価上昇への懸念が再燃してきた。
そういった中で、中国では今週にかけて旧正月が続いているが、この時期はインフレが起こりやすい。最近の中国の利上げは、物価統計発表を受けて利上げへの警戒から株価が動揺するのを未然に防ぐ狙いからか、物価統計発表の前日ないし当日に行われるのが基本パターンになってきた。その意味では、中旬に予想される物価統計発表前、旧正月明けにもさらなる金融引き締めが行われるとの見方は強い。
もう一つ、ここに来て中国が物価の上昇に対する気配りを強めていると考えられているのは、エジプトなどアフリカの政情不安の影響がある。これが「第三次オイル・ショック」に発展するとの見方すら一部にあるなど、資源価格高騰が懸念されていることが一つ。
そしてもう一つは、このアフリカにおける長期独裁体制への不満は、見方によっては中国で広がる可能性すらあるものだということ。庶民の不満は、物価や住宅価格がきっかけになりやすいだけに、「第2のエジプト」の予防の意味でも、物価上昇にはさらに配慮を強めているようだ。

◆新興市場の「魔の2月」
ここに来て、エジプトなどアフリカの混乱が拡大、地政学リスクでのリスク回避機運が拡大してきた。2月はとくに下旬に入ると、エマージング市場の混乱で、リスク回避からとくにクロス円が乱高下することがここ数年目立ってきただけに、この辺りも要注意だろう。
2月の新興市場の混乱で、ここ数年主役を演じることの多かったのはやはり中国。中国株式市場はここ数年、旧正月明けに急落するケースが何度かあっただけに、休場明けの動きは一つ注目されそうだ。
それでなくとも、最近の中国株は、中国の急ピッチの金融引き締めへの警戒から神経質な展開が続いている。最近の中国は20年前の日本のバブル破裂前後の状況に似ている面があるが、バブル破裂とまでいかなくても、相応の急落に向かうかは、この2月が大きな正念場になりそうだ。
ところで、このような中国、アフリカなど新興市場の混乱は、クロス円、とりわけ最近の場合は対米ドルで割高感の目立ってきた豪ドルの割高修正も大きく左右しそう。(了)

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2011.02.07 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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