スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

ユーロの2011年予想を考える・後編

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

前回に続きユーロについての2011年予想を考えてみたいと思います。

◆「悪いユーロ安」は1ユーロ=1ドル、100円割れに向かう
資料1は、適正水準の目安である購買力平価からのユーロドルのかい離率を見たものです。

<資料1>
20110124_1.gif

これを見ると、ユーロはここ数年適正水準を上回る、つまり割高圏での推移が続いていました。ちなみにユーロドルの購買力平価は直近で1.2ドル程度ですから、1.4ドルを超えるユーロはそもそも適正な水準より相当なユーロ割高になっていたということなのです。
その意味では、ユーロ危機と呼ばれた1.2ドル割れへのユーロ急落は、むしろユーロの割高が是正され、適正水準まで戻ってきたということになります。ユーロ危機という言葉の意味からすれば、適正な水準よりユーロが割安を拡大する、いわゆる「悪いユーロ安」ということだと思いますが、それはまだ起こっていなかったわけです。欧州財政問題が解決していないなら、これからいよいよそんな局面に移っていく可能性があるでしょう。
資料1を見ると、かつてユーロは適正水準の購買力平価を2-3割も下回ったことがありました。欧州財政問題が解決するまでは、今回もそんなふうに適正水準を大きく下回ってユーロが下落する可能性は十分あるのでしょう。ちなみに1.2ドルを2割下回ると0.96ドルという計算になります。1ユーロ=1ドルをパリティといいますが、そんなパリティを割り込むユーロ安へ向かっていく可能性は十分あると思います。

同じことをユーロ円で考えてみましょう。資料2はユーロ円の購買力平価からのかい離率です。これで見ても、昨年のユーロ下落は、ユーロの割高が是正され、適正水準に戻った動きだったといえるでしょう。

<資料2>
20110124_2.gif

ユーロ円の購買力平価は直近で112円程度です。かつてはそれを2-3割下回ったこともありました。欧州財政問題が解決せず、本当の意味でユーロ危機が続くなら、今回もその程度、購買力平価を下回るユーロ安になる可能性はあるでしょう。
かりに購買力平価を2割下回るなら、90円になります。つまり、ユーロ安、ユーロ売りの行き過ぎ修正が一段落したら、基本的には1ユーロ=100円を超えるユーロ安に向かっていくと思います。

◆年間3000ポイント値幅の大相場が続くユーロ
えてして金融市場では、ユーロ安になると「やはり欧州財政危機は何も変わっていない」といった声が大きくなり、ところがユーロ高になるとそんな声が低くなるようです。しかしもちろんユーロの水準が、欧州財政問題を正確に評価しているわけではありません。
財政問題などを受けた欧州に対する信用を示す代表的な指標は資料3の欧州CDS指数です。これをみると、欧州の信用が最も悪化したのは昨年の6月で、その後は信用改善が進んできましたが、それでもまだ2010年初めの頃の信用回復にはほど遠い状況にあります。つまり、財政危機を受けた欧州の信用悪化は依然厳しい状況が大きく変わっていないということでしょう。
一方で、米国の信用は、ほぼ2010年初め、つまり一年前の水準に戻ってきました。本来関係ないはずなのに、欧州の信用悪化に引っ張られる形で悪化した米国の信用は、さすがにここに来て「欧州離れ」が進み、ほぼ元の水準に信用を回復してきたわけです。
ユーロ危機といっても、米国など世界も一緒にリスク回避が進むと、金利差は大きく変わりませんからユーロだけが一方的に売られることには基本的にならないでしょう。しかし欧州でリスク回避が進んでも、世界的にはリスク回避にならないなら、金利差はユーロ不利が拡大し、よりユーロは売られやすいと思います。

<資料3>
20110124_3.gif

こんなふうに考えると、今年もユーロ安の流れは変わらないと思います。ところで、資料4はユーロドルの値幅を月間、年間について調べたものですが、ここ数年のユーロドルは年間で3000ポイント前後、ドル円でいうと30円程度の値幅に拡大する大相場が続いてきました。
この2011年のユーロドルも3000ポイントの値幅を想定し、そしてこれまで見てきたようにユーロ安の流れが変わらないとすると、昨年のユーロの上限である1.4-1.45ドルが今年も上限になると考えられるので、ユーロの下値は1.1-1.15ドル程度まで想定する必要があると思います。(了)

<資料4>
20110124_4.gif

2011.01.24 | FXレポート

«  | ホーム |  »

FC2Ad


MATRIX TRADER 新規口座開設


吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

最新トラックバック

注意事項

このレポートは情報提供を目的とし、投資の断定的判断を促すものではありません。お取引における最終的な判断は、お客様自身で行うようにしてください。この情報により生じる一切の損害について、当社は責任を負いません。本レポート中の意見等が今後修正・変更されても、当社はこれを通知する義務を負いません。著作権はJFX株式会社に帰属し、無断転載を禁じます。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR


■リスクについて
当社の取扱う店頭外国為替証拠金取引は、レバレッジ効果(実際の取引額と比較して少額の資金で大きな取引ができる仕組み)や為替市場の変動等により注文(ロスカット注文を含む)が約定しない場合等には、元本(預託金)を上回る損失発生の可能性があり、元本や利益を保証するものではありません。特に、マイナー通貨(流動性の低い通貨)の取引をされる場合、元本以上の損失発生の可能性が高くなります。さらに、スワップポイント(通貨間の金利差調整額)についても通貨ペアやポジションの状態(売りまたは買い)によっては、プラスの場合もあれば、マイナスの場合もあります。取引におけるお客様のコストは、手数料とスプレッドとなりますが、手数料は無料となっております。スプレッドは、売りレートと買いレートの差のことで、0~となっておりますが、流動性が低ければ、スプレッドが大きく広がる場合があります。取引において最低限必要である資金(MATRIX TRADERの法人のお客様以外)は、一部マイナー通貨を除き、〈想定元本(為替レート×取引数量)×2%〉で算出されます。MATRIX TRADERの法人のお客様の取引において最低限必要である資金は、500円~となっております。レバレッジは、〈想定元本÷取引において最低限必要である資金〉により算出され、それぞれの値が変動することにより、レバレッジも変動しますが、最大で50倍となります(MATRIX TRADERの法人のお客様以外)。当社は、インターネットを通じて店頭外国為替証拠金取引サービスをご提供しておりますので、お客様のパソコン・インターネット環境や当社のシステムに不具合が生じた場合等、取引ができなくなる可能性があります。また、当社では、複数の商品を取り扱っており、取引要綱や各項目の名称等が異なります。さらに、お客様の取引の相手方は当社(相対取引)となっており、取引所取引とは異なりますので、契約締結前交付書面をよくお読みいただき、内容をご理解の上、ご自身の判断によりお取引ください。
関東財務局長(金商)第238号 / (社)金融先物取引業協会 会員番号1503 金融商品取引業者 JFX株式会社

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。