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2011年の為替相場を予想する・前編

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

 2011年の為替予想は、以下の3つがポイントになると思います。
① 2-3月にかけて90円前後へ円安・ドル高が展開する。
② その後に、2007年から展開してきた円高トレンド最終章になる円高第5幕が待っている。
③ それは、米利上げと協調介入などがきっかけになり、早ければ2011年後半に、遅くとも2012年前半に70円台でクライマックスを迎えることになる。

◆ドル高リード役の米金利は5%超に上昇するのか
 為替相場は、2010年11月からドル高へ反転しました。これをリードしたのは米金利上昇です。この米金利上昇は、まだ続きそうですから、そうであれば、それにドルが連れ高になる展開ももう少し続きそうです。
 昨年11月からの米金利上昇は、11月FOMC(米連邦公開市場委員会)で第二次量的緩和(QE2)が決まってから起こった動きです。ところで、2009年3月の第一次量的緩和(QE1)後も米金利は上昇し、それは資料1のように3-4カ月で4%近くまで続きました。

<資料1>
20110106_01.gif

QE2後も、これまでのところ良く似た金利上昇となっているわけですが、この先も似た展開が続くなら、米長期金利は2―3月にかけて4%前後まで上昇することになり、それに連れたドル高・円安も90-95円程度まで続くといったシナリオになるわけです。
でも本当に、去年、デフレ懸念から一時は2.5%割れまで低下した米長期金利がそんなに上がるのでしょうか。ただし、そもそも米経済のデフレ懸念を浮上させ、米金利を大幅に低下させたのは何だったでしょうか。資料2を見ると、4月まで年初来高値を更新するなど好調だった米株を反落に転換させたのは「ユーロ危機」でした。
ところが、そんなユーロ安と米株安の関係がここに来て崩れ始めました。米株が「ユーロ危機」に慣れたのか、FRB(米連邦準備制度理事会)追加緩和などで、ユーロ危機を気にしない状況に変わったのかはわかりませんが、どうやら米経済は「ユーロの呪縛」から解放されつつあるようです。

<資料2>
20110106_02.gif

ところで、米国は未曽有の財政赤字拡大となっています。そんな財政赤字は本来、債券需給悪化で債券価格を急落させ、利回りを急騰させる要因です。ちなみに、財政収支と米2―10年債利回り差は一定の相関関係がありますが、それからすると未曽有の財政赤字拡大で米2―10年債利回り差は、この間の上限3%弱を大きく超えて、4-5%程度に拡大する見通しになっています(資料3参照)。
かりに米2年債利回りが1-2%なら、米10年債利回りは5-6%に暴騰する計算になるわけです。未曽有の財政赤字は、本来ならそんな米長期金利暴騰を招きかねないものです。これまでそうならなかった主因が「ユーロの呪縛」にあり、しかしそれから解放されたなら、米金利がまだ上がっても不思議ではないでしょう。(続く)
<資料3>
20110106_03.gif

2011.01.06 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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