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中国がユーロ買いに動く裏事情

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

21日、中国によるEU支援観測から、一時ユーロが急反発する場面があった。中国の金利上昇が続く中で、実際に中国によるユーロ買い、米国債買い控えといった動きになっている可能性があるだろう。

◆金利上昇で米債買い控え、ユーロ買い
中国は10月に利上げを行ったが、こういった中で金利上昇が続いている。これは人民元高抑制のための米ドル買い・人民元売り介入を行うための人民元資金を調達するコストが高まっていることを示している。より高いコストで調達した人民元を売って、その対価として購入した米ドルを、低い利回りの米国債で運用するのではなく、より高い利回りで運用するために、米ドル売り・ユーロ買い、豪ドル買いといった動きになっている可能性があるだろう。
このように考えると、10月の中国利上げを経て、11月以降中国の金利上昇が加速する中で、米国債相場が急落に向かったのは、無関係ではないかもしれない。世界一の米国債の買い手である中国が、より高い運用利回りの必要性から米国債買いを減らした影響もあったのではないか。
介入資金調達コストの上昇を受けて、中国がより高い運用利回りの必要性を感じているとすれば、人民元高阻止介入で得た米ドルで、豪ドルやユーロを買っている可能性があろう。こういった背景があるからこそ、中国のEU支援観測に、市場は敏感に反応したということではないか。

◆一方米株は「ユーロ離れ」
米株の「ユーロ離れ」が広がってきた。これは、クリスマス休暇明けにも相場が本格再開となった場合、ドル全面高が広がりやすくなっている可能性を示しているのではないか。
ユーロは11月の1.42ドルからの下落基調が続いている。過去半年以上続いてきたユーロとNYダウの相関関係からすると、ダウは1万ドルを大きく下回っているはずだが、実際には1万1千ドルを大きく上回って年初来の最高値圏での推移となっている。ユーロと米株の「正の相関関係」が大きく崩れてきたわけだ。
このようなユーロと米株の「正の相関関係」は、ドルにとっては複雑な影響をもたらしていた。ユーロ安はドル高要因だが、一方でユーロ安を受けた米株安はドル安要因。この結果、ユーロ危機が広がる中でユーロ安・ドル高となっても、意外とユーロ以外の通貨に対してドルは上げ渋り、ドルは全面高にはならなかった。
そんなユーロと米株の「正の相関関係」が終わったなら、ドルは全面高になりやすいだろう。ユーロ安でドル高になるとともに、米株も下落しないなら、まさにドルはユーロ以外の通貨に対しても上昇しやすいわけだ。(了)

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2010.12.24 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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