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米長期金利、12月3.3%シナリオ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

11月FOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和が決定された後から始まった今回の米金利上昇の動きは、前回、2009年3月の量的緩和決定後の金利上昇とこれまでのところ良く似ている。この似た動きがこの先も続くなら、12月中旬にかけていよいよ米長期金利は3%を大きく越えていくことになるが、果たしてどうか。

◆アナロジーが続くポスト量的緩和
2009年3月の第一次量的緩和、そして今年11月の第二次量的緩和とも、これをFOMCで決定したときの米長期金利は2.5%程度で、その後急上昇へ向かうところとなったのは、これまでのところ「ウリ二つ」といえるほど良く似た動きになっている。
ところで、第一次量的緩和決定後の米長期金利上昇は、3%の大台突破寸前で少し足踏み期間があったものの、決定から31営業日目にはついに3%を突破し、一段の上昇に向かった。ちなみに、第二次量的緩和決定から31営業日目は12月14日、年内最後のFOMCが予定されている日だ。
ちなみに、第一次量的緩和決定後の米長期金利上昇は、上述のように31営業日目に3%の大台を突破するとそのまま一段と上昇が加速し、38営業日目には3.3%まで上昇した。今回の場合、38営業日目は12月23日になる。その意味では、今月中旬にかけて米長期金利が3%突破となったら、そのまま月末までに3.3%程度へ一段と上昇する可能性があるわけだ。

◆欧州ソブリン危機相場は一服したのか?!
ところで、このところ金利と株価の上値を重くしていたのが、欧州ソブリンリスク懸念だった。そういった中で、11月30日の一部欧州国債相場は異常な、「パニック相場」といえる動きになった。「パニック相場」はクライマックスの動きになることが少なくないだけに、欧州ソブリン危機相場は、いったんのクライマックスだった可能性もある。
11月30日に、スペイン国債利回りは一時5.67%まで急騰した後、5.5%まで戻す動きになった。債券の専門家ならともかく、専門外の立場からすると、これが「異常」なのかよくわからない。しかし大手米系証券株式ストラテジストのレポートによると、この日のスペイン国債のボラティリティーを日経平均に置き換えると、2008年10月23日に匹敵するものだという。
さて、この2008年10月23日の翌日、24日、ドルはたった一日で98円程度から90円まで大暴落した。つまり近年では代表的な為替の「パニック相場」だ。ところで、為替の「パニック相場」というと、今年5月6日、日本のゴールデンウィーク明けに起こった動きはまだ記憶に新しいところだ。
このような2008年10月24日、そして今年5月6日といった為替の代表的な「パニック相場」は、当面の相場がクライマックスを迎えたという意味もあった。このパニック相場の中で記録したドル安値は、ともに数週間から数カ月のドル底値となったのである。
こんなふうに「パニック相場」が、当面のクライマックスで起こりやすいといった意味では、11月30日の一部欧州国債相場の「パニック相場」は、欧州ソブリン危機相場がいったんのクライマックスを迎えたことを示していた可能性も考えられる。(了)

【参考リンク】
*注1.米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=3&CODE=USGG10#osatab

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2010.12.06 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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