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ドル安のクライマックスになるのか

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

11月が始まった。この11月には、投機筋の大きなポジション調整が起こると言った特徴がある。その意味では、ヘッジファンド(HF)などはこれまで拡大してきたドル売りの撤収に動く可能性があるだろう。それでドル安大相場自体がいったんのクライマックスを迎えるかが、この11月の最大の焦点になりそうだ。

◆ポジション転換が起こる11月
CFTC(米商品先物取引委員会)統計で、投機筋の米ドル・ポジションを調べたところ、例年10-11月に大きな調整が入っていた。たとえば、米ドルのポジション(非米ドル主要5通貨のポジションからの推計)は、ネット・ショート(売り持ち)、ロング(買い持ち)ともに15-20万枚が限界圏だが、確認できる2004年以降、2009年までの6年間で、ポジションが±10万枚を超えて11月を迎えた5年のすべてで、ポジションの拡大は一巡、反転に向かった。
さて今年の場合、投機筋のポジションは10月に一時ネット・ショートが17万枚まで拡大した。ドル安大相場が展開する中で、投機筋も積極的なドル売り戦略に動いたためと考えられる。しかしこれまでの傾向からすると、そんな投機ドル売り戦略は、いったん11月にかけて撤収、反転に向かう可能性が高そうだ。
こんなふうに投機筋のポジションが、11月にかけて大きく調整されるのは、ヘッジファンドなどでは11月を決算期末にするところが多いためと考えられる。ヘッジファンドなどが、ドル売りで稼いだ利益の確定に転じる中で、このドル安相場自体がどれだけ反転するかが注目される。

◆ドル、6カ月連続陰線引けの示唆とは?!
ところで、10月もドルは対円で陰線(ドル安)引けとなった。これで5月から6カ月連続の陰線引けだ。1995年以降で確認したところでは、月足の連続記録は7カ月が最長。その意味では、この一両月でドルは陽転(ドル高へ転換)する可能性が確率的には高そうだ。
1995年以降で確認したところ、月足の連続記録としては7カ月が最長で、1995年7月-96年1月(ドル高)、1999年6月-12月(ドル安)、2000年9月-2001年3月(ドル高)といった計3回あった。今回は、5月からドル陰線となり、10月まで6カ月続いた。この11月もかりにドル陰線引けになるなら、1999年以来2度目の7カ月連続陰線引けとなり、月足ドル陰線連続記録の最長に肩を並べることになる。
一方で、1995年以降で確認したところでは、月足連続記録が8カ月以上となったことはない。その意味では、今回のドル続落相場も、一両月のうちに途切れる可能性が高く、いったんのドル安クライマックスが近付いている可能性が高そうだ。
こんなふうに、すでにドル安が半年も続いてきたということを除けば、本来的に10月と11月のドル円は同じ方向に動きやすい傾向がある。つまり10月がドル安だったということは、11月もドル安になる確率が高いということだ。ちなみに、過去10年間の10-11月ドル円は8割の確率で同じ方向に動いていた。
ところで、今回の場合は、9月もドル安だった。過去10年間で、9月と10月のドル円が同じ方向に動いたのは6回あったが、その全てで、11月も同じ方向の動きになっていた。ただし、1999年以前では、9月と10月のドル円が同じ方向に動きながら、11月は逆の展開になったことが2回あった。1996年と1998年であり、ともに大統領選挙、中間選挙といった、今年と同じように米選挙イヤーだったということは興味深い。(了)

【参考リンク】
*注1.円のポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=1&CODE=JPN#osatab

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2010.11.04 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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