スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

「通貨安戦争論」への大いなる違和感

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

「通貨安戦争」という言葉が広がっている。ただし、基本的には為替や金利はコントロールできないというのが常識のはず。ドル安も米金利低下も、「行き過ぎ」懸念が拡大しているため、ドル安にしたいということだけで、どれだけこの行き過ぎたドル安・米金利低下が続くかは微妙ではないか。

◆為替・金利はコントロールできるのか?!
10月上旬に行われたIMF(国際通貨基金)など国際会議では、ブラジルや中国など新興国から、米国の低金利政策を受けたドル安への批判が目立った。では、これは米国がドル安へコントロールしているということなのだろうか。一方で、日本が為替をコントロールできず、円高阻止に苦労していることと合わせて考えると、とても違和感のある話ではないか。
為替は、極端に行き過ぎた時はともかく、原則的にはコントロールに限界があるというのが常識だろう。それは、為替に影響力のある金利についても同様だ。短期金利はともかく、長期金利は中央銀行でも原則としてコントロールできないというのが常識だ。
日本では、1998年暮れにかけて一時1%を大きく下回って低下した長期金利が、急反騰に転じると一気に2%を越える「止まらない金利上昇」になったことがあった。これは、中央銀行でも金利コントロールに限界があることを示していたといえるだろう。
ところで、この「止まらない金利上昇」に歯止めをかけるべく、当時の日銀は史上初のゼロ金利政策採用を決定した。ただし、これで金利上昇は止まったが、それはゼロ金利で金利上昇を止めたというより、すでに金利上昇が行き過ぎた動きになっていたことが大きな理由だろう。
こんなふうに、本来的にはコントロールに限界があるはずの金利と為替なのに、一見誰かにとって都合が良い動きになっている、つまり、米国がドル安を仕組んでいると解釈されているのではないか。
10月19日は、1987年に世界同時株暴落が起こった日だ。そのきっかけは、米独の対立によるG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)協調崩壊懸念だった。今度は米国と新興国との対立によるG20協調崩壊懸念で世界同時株安になるのだろうか。通貨安戦争の批判を集めている米国も、そんな歴史の教訓は良く知っているだろう。

◆円が対米ドル上昇率断トツという不思議
今年に入ってからの対米ドル上昇率は、足元では円だけが10%を大きく越えている。第2位以下が、豪ドル、南アフリカ・ランド、スイスフランといった具合に、代表的な資源国通貨、高金利通貨、安全通貨が続く中、円が買われている理由は何か。これに対する回答は、貯蓄超過に伴う安定感ということだろう。
ブラジルは先日、短期資本流入への課税強化策を発表した。その影響もあるが、ブラジルレアルの対ドル上昇率は直近では4%程度にとどまっている。上昇率が日本の3分の1程度にとどまっているブラジルは、今回の国際会議で、米国の低金利政策を受けてドル資金が過剰に流入していると強く批判した。
ドルを中心とした海外資本の過剰流入ということでは、日本はブラジル以上に深刻な立場に立たされているといえるだろう。ある意味、「ほめ殺し」のような円高への介入に批判が出なかったことは当然で、むしろブラジル以上に日本こそが、過剰な円買いへの課税などを検討すべきだろう。(了)

【参考リンク】
*注1.円のポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=1&CODE=JPN#osatab

<年初来の非米ドル主要通貨の対米ドル騰落状況>
20101014.jpg

2010.10.14 | FXレポート

«  | ホーム |  »

FC2Ad


MATRIX TRADER 新規口座開設


吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

最新トラックバック

注意事項

このレポートは情報提供を目的とし、投資の断定的判断を促すものではありません。お取引における最終的な判断は、お客様自身で行うようにしてください。この情報により生じる一切の損害について、当社は責任を負いません。本レポート中の意見等が今後修正・変更されても、当社はこれを通知する義務を負いません。著作権はJFX株式会社に帰属し、無断転載を禁じます。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR


■リスクについて
当社の取扱う店頭外国為替証拠金取引は、レバレッジ効果(実際の取引額と比較して少額の資金で大きな取引ができる仕組み)や為替市場の変動等により注文(ロスカット注文を含む)が約定しない場合等には、元本(預託金)を上回る損失発生の可能性があり、元本や利益を保証するものではありません。特に、マイナー通貨(流動性の低い通貨)の取引をされる場合、元本以上の損失発生の可能性が高くなります。さらに、スワップポイント(通貨間の金利差調整額)についても通貨ペアやポジションの状態(売りまたは買い)によっては、プラスの場合もあれば、マイナスの場合もあります。取引におけるお客様のコストは、手数料とスプレッドとなりますが、手数料は無料となっております。スプレッドは、売りレートと買いレートの差のことで、0~となっておりますが、流動性が低ければ、スプレッドが大きく広がる場合があります。取引において最低限必要である資金(MATRIX TRADERの法人のお客様以外)は、一部マイナー通貨を除き、〈想定元本(為替レート×取引数量)×2%〉で算出されます。MATRIX TRADERの法人のお客様の取引において最低限必要である資金は、500円~となっております。レバレッジは、〈想定元本÷取引において最低限必要である資金〉により算出され、それぞれの値が変動することにより、レバレッジも変動しますが、最大で50倍となります(MATRIX TRADERの法人のお客様以外)。当社は、インターネットを通じて店頭外国為替証拠金取引サービスをご提供しておりますので、お客様のパソコン・インターネット環境や当社のシステムに不具合が生じた場合等、取引ができなくなる可能性があります。また、当社では、複数の商品を取り扱っており、取引要綱や各項目の名称等が異なります。さらに、お客様の取引の相手方は当社(相対取引)となっており、取引所取引とは異なりますので、契約締結前交付書面をよくお読みいただき、内容をご理解の上、ご自身の判断によりお取引ください。
関東財務局長(金商)第238号 / (社)金融先物取引業協会 会員番号1503 金融商品取引業者 JFX株式会社

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。