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歴代10位だった6年ぶり介入

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

財務省は、9月の円売り介入額が2兆1249億円だったと発表したが、これは月間介入額としては歴代10位、また一日の円売り介入額でも過去最高の可能性があるものだ。

◆一日の円売り介入でも過去最高?
月間の為替介入の最高額は、2004年1月の6兆8千億円で、今回と同じように全て円売り介入だった。このように、今年9月の3倍にも達した2004年1月の円売り介入でも、円高の流れは止まらず、その後も結果的には2004年3月まで、円高は1カ月続いた。
逆に、2004年3月の円売り介入額は4兆5千億円で、2004年1月よりは少なかったが、円高は一段落となった。これは、1カ月で6兆円の円売り介入でも止まらなかった円高が、4兆円の介入では止まったということではもちろんなく、為替の流れは介入だけで変えるのはきわめて困難で、市場の行き過ぎにいかに乗じるかが鍵であることを示しているだろう。
ところで、今回の2兆1千億円強の円売り介入が、9月15日だけで行われたものなのか、15日以外も行われたかは、11月に入ってからの財務省の情報開示までわからない。それにしても、9月15日だけで円売り介入額は2兆円弱に達したとの見方が強いため、1日の円売り介入としては、2004年1月9日の1兆6千億円を上回る過去最高だった可能性が高そうだ。

◆円売り介入の試練
9月15日に行われた円売り介入で、円は82円台から一時86円近くまで急反落となった。このように円売り介入が一定の効果を上げたのは、6年半ぶりという久しぶりのものだったことに加え、当時の為替市場において円高・ドル安にもいくつかの「行き過ぎ」懸念があったためだろう。
そんな「行き過ぎ」懸念の一つが、円の「買われ過ぎ」懸念だった。CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、ヘッジファンドなど投機筋の円ポジションは経験的に「買われ過ぎ」の限界圏である5万枚前後のネット・ロング(買い持ち)に達していた。このように、円買いの「限界」に達していた中で行われたカウンターアタック的な円売りだっただけに、円の戻り売り、ドル買い戻しが広がりやすかったと考えられる。
ただその結果、円の「買われ過ぎ」も大きく修正が進んだ。CFTC統計によると、投機筋の円ポジションは9月末にかけて、ネット・ロングが2万枚程度まで縮小した。すでに「行き過ぎた円買い」といった状況は修正されたわけだ。
為替市場の取引が拡大する中で、通貨当局による市場介入も、規模の面での効果には自ずと限界がある。その意味では、効果的な介入とは、相場の行き過ぎをいかに活用するかが一つのポイントだろう。そういった観点で考えた場合、円が「買われ過ぎ」圏にあった9月中旬の円売り介入は効果を上げやすかったのに対し、円の「買われ過ぎ」が修正された中では、円売り介入も効果の追求が難しくなってきただろう。 (了)

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2010.10.04 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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