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為替の方向感、ユーロドルに期待

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

ドル円は今年に入ってから、90円をはさんだ方向感の乏しい展開が続いてきた。円についてはポジションの偏りも目立っていないことから、方向性を考えるのは難しい状況にある。その点、ドルは「買われ過ぎ」、ユーロは「売られ過ぎ」が顕著なため、その修正からドル安、ユーロ反発といったシナリオは想像しやすい。かりにそうなった場合、ドル円もドル安・円高の方向に向かうかが次の焦点になる。

ドル「買われ過ぎ」、ユーロ「売られ過ぎ」

ドル円は、1月半ば頃から88-92円といった具合に90円をはさんで上下2円の範囲で方向感の乏しい展開が続いてきた。この間、1.45ドルから1.35ドルへほぼ一本調子でユーロ安・ドル高となった動きとは対照的な結果だった。
このような方向感の乏しい展開が長引く中で、円についてはポジションの偏りも最近は目立たない。CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、円のポジションは3月2日現在で3.2万枚のネット・ロング(買い持ち)だ。少し円買いに傾斜した形になってはいるが、それでも極端な円「買われ過ぎ」といった状況ではまったくない。
これに対して、米ドルやユーロはポジションの偏りも顕著だ。米ドルのポジションは、2月末には「買われ過ぎ」領域といえるネット・ロング10万枚超となっていた。そしてユーロは、3月2日現在でネット・ショート(売り持ち)が6万枚を超えており、依然として「売られ過ぎ」領域にある。
このようなポジションの偏りなどから考えると、遅かれ早かれ、いずれは行き過ぎの反動からドル安、ユーロ高への展開が広がるシナリオは想像しやすい。経験的には、「売られ過ぎ」修正に伴うユーロ反発は4-10%程度になる。もしもその動きが始まっているなら、1.4-1.45ドルへのユーロ高・ドル安といったシナリオになる。
かりにそんな展開となった場合、円はどう動くか。上述の通り、ポジションの偏りも目立たないといった意味では、円「買われ過ぎ」拡大、「売られ過ぎ」拡大のどちらにも動くことは可能だ。

3月FOMCはきっかけになるのか

こういった中では、イベントが手掛かりになる場合がある。3月16日に予定されているFOMC(米公開市場委員会)はとくに注目が集まるだろう。一年前の、この3月FOMCは「予想外」の米長期国債購入が決まり、一時米金利が急低下となった。
さて、そんな3月FOMC、今回は出口政策への踏み込みが注目されている。このところ少し落ち着き気味だった米早期利上げ観測が再浮上するきっかけになるか。それは為替の方向感を考える上でも一つの焦点になるだろう。(了)

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2010.03.15 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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