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米長期金利3%、ドル88円シナリオ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

ドル安・円高と連動してきた米金利低下が反発に転じた。その割に、まだドル反発は鈍い状況が続いているが、ドル安が一服し、いったんドル高に戻るかは、米金利反発がさらに広がるかが鍵を握ることになりそうだ。

◆下がり過ぎ修正が始まった米金利
米長期金利(10年債利回り)は、3日の雇用統計発表から反発が強まり、先週は一時2.8%台に乗せた。これを受けて、一時マイナス20%以上に拡大していた90日移動平均線からのかい離率も、マイナス10%以下に縮小してきた。空前の長期金利下がり過ぎが、いよいよ修正に向かい始めた可能性を感じさせる動きだ。
経験的に、下落方向へ行き過ぎた動きは、「振り子の原理」により最低でも90日線を回復するまで戻るのが基本。9日現在の米長期金利90日線は、3%ちょうどだから、下がり過ぎ修正により、米長期金利は3%台の回復に向かうといった見通しになる。
ところで、上述のようにそんな米長期金利とドルの対円相場は、相関関係が強い。これまで見てきたように、米長期金利が、空前の下がり過ぎが修正される中で3%台の回復に向かうなら、ドルは88円程度まで戻る見通しになる。
3日の雇用統計発表後、一時85円台を回復したドルは、すぐに84円台へ反落。あらためて、ドル売り・円買いの根強さをうかがわせる結果となった。そんなドル売りを吸収し、ドル高・円安へ一段と戻す動きになるかは、米金利反発がどれだけ広がるかが鍵を握ることになるのではないか。

◆米債買い「主役」の動きに急ブレーキ
ところで、日本からの対外債券投資買い越しがペースダウンしてきた。日本の投資家は、邦銀中心に、この間米国債などの買いの主役を演じてきた可能性があっただけに、その買いの勢いが鈍化しているとなると、米国債なども需給的に価格反落、利回り反発に転じやすくなっている可能性がある。
日本からの対外中長期債投資は、6月から8月まで月4兆円前後の大幅な買い越しが続いた。週平均では1兆円程度の買い越しになる。ところが、8月第4週の買い越しは7百億円にとどまり、そして8月第5週も7千億円の買い越しとなるなど、2週連続で1兆円に届かなかった。6月以降続いてきた大幅な買い越しペースが明らかに鈍化した形となっている。
こういった背景には、民主党の代表選が、財政赤字拡大懸念として、債券の需給悪化警戒につながったことがあるとともに、9月中間決算が近付く中で、買いを手控え始めた影響も考えられる。
ところで、そんな日本からの対外債券投資は、米国債買いなどにおいても主役の一つだった可能性がある。その意味では、日本からの買いの鈍化は、米国債などの需給が悪化している可能性も予想させるものだ。この間急上昇が続いてきた米国債相場が反落に転じ、利回りが反発に転じやすくなっている可能性は注目される。(了)

【参考リンク】
*注1.米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=3&CODE=USGG10&KCD=&chr=long#osatab

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2010.09.13 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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