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FX2大問題、規制と税制見直しの影響度

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

8月から個人の為替取引、「FX」のレバレッジの上限を50倍にする規制が導入されたが、その影響が一部の業者にとっては予想以上に大きなものになっている可能性がありそうだ。ハイレバレッジがアピール・ポイントとされた「ネオFX」と呼ばれる業者の中には、取引数量が前月に比べて一気に5―7割も激減した先もあるとの見方が流れている。

◆一部には取引7割激減も
今回のレバレッジ上限の導入は、「激変緩和」措置として、まずは50倍、一年後から25倍に引き下げるといった段階的な取り組みとなったことから、それほど影響のない業者もあるようだ。取引所FXである「くりっく365」の取引数量も、為替相場が小動きだった影響も重なり、一時は前月より3割以上も減るペースで推移したが、8月後半に相場が活況となった影響もあってか、最終的には前月比1割強の減少にとどまった。
その一方で、200倍以上のレバレッジ商品を展開していた「ネオFX」と呼ばれるハイレバレッジのアピールの強かった業者の中には、8月一カ月を通じて取引が回復しないまま、最終的にも前月より一気に5―7割もの取引数量激減となった業者もあるとの見方が囁かれている。
お隣の国、韓国では、一年前の2009年9月にレバレッジ上限を50倍から20倍に引き下げたが、これを受けて店頭業者の取引数量は一気に半減し、その状況が半年近くも続いた。日本の場合は、上述のように業者によって今のところは影響もマチマチとなっている。ただハイレバ業者への影響は、韓国の例に近いほど大きなものになる可能性もありそうだ。
さらに、来年はレバ上限が25倍へ一段と引き下げられる予定になっていることから、業界再編やFXマーケットの大きな転換点になる可能性は高そうだ。

◆FX税制格差は2年以内に見直しへ
FXにおいてもう一つ注目されている動きとして、取引所FXと店頭FXの税制の見直し問題がある。それについても、2年以内に見直される方向になってきたとの見方が増えているようだ。
現在の税制は、取引所FXは申告分離課税であり税率は一律20%、店頭FXは総合課税であり累進課税となっている。しかし、所得区分は両者とも雑所得扱いになっているなど、税制面での差がある。それに対して、もちろん店頭FX業者からは、見直しを求める動きがここ数年続いてきたわけだ。
これを受けて、金融庁の来年度税制改正案には、これを踏まえた動きが盛り込まれた。こういった経緯から、早ければ来年度から、現実的には再来年度までに税制見直しが実現するとの見方が関係者の間で強まっているようだ。
ただし、これが取引所FXの優位性後退ということになるかは、まだ微妙なようだ。未確認情報ながら、取引所並みの税制優遇措置を受けられる店頭FX業者には、一定の条件が付くとの噂もあるようだ。
そうであれば、取引所と店頭業者の税制面での格差縮小にとどまらず、全体感としてはFX業界再編を加速させる要因になる可能性が高いと考えられるが、さてどうだろうか。(了)

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2010.09.09 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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