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米景気と金利の「異常な関係」が変わる?

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

1日発表されたISM(米供給管理協会)製造業景況指数は56.3ポイントとなり、事前予想より良い結果となった。これにより、米景気指標の割には米金利が極端に低すぎるといった「異常な関係」があらためて浮き彫りになった。

◆米金利低下は「異常」なのか
今回を除いて、ISM指数が55ポイントを上回っていた局面では、米長期金利は3.5%を上回る水準での推移となっていた。その意味では、ISM指数に示される米景気との関係からすると、最近のような2.5%前後で米長期金利が推移する状況は、金利が低すぎる「異常な関係」ということになる。
このように米金利が、米景気指標からすると異常なほどに下がり過ぎという動きになったのは、米景気の「二番底」懸念や、デフレ懸念を受けた動きといえるだろう。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)も、「二番底」やデフレについてメインシナリオと考えているフシはない。その意味では、金利に代表される金融市場の動きは、FRBから見ても「悲観的過ぎる」と内々見ているようだ。

◆「米債バブル」演出者たちの変化
ところで、そんな米国債相場の大幅上昇、利回り急低下に一役買った可能性のある日本からの買いに急ブレーキがかかってきた。日本からの対外債券投資買い越しは、8月後半に前半の3分の1程度に急縮小した。中間期末にかけて予想された日本からの米国債など外国債買い一段落が、すでに始まっている可能性もある。
米10年債利回りは、一時2.5%を割り込むなど、この間年初来の最低を更新し、債券価格は年初来の最高値を更新する展開となってきた。こういった動きに対して、「米債バブル」との見方も取り沙汰されていたが、その演出役の一つが、邦銀を中心とした日本勢との見方もあった。そういった「米債バブル」演出役の一つが、買いを急鈍化に転じたなら、一気に「バブル破裂」に向かう可能性も注目される。
日本からの対外債券投資買い越しは、5月までの月平均1兆円前後から、6月は3兆円以上に急拡大し、さらに7月、8月も4兆円を越えた可能性が強まっている。ところが、8月は前半が3兆円以上の買い越しだったのに、後半は1兆円程度と、買い越し額が一気に3分の1程度に急縮小となった。
そもそも、9月中間期末に向けて、利益確定で債券を売ったり、少なくとも買い控える可能性は注目されていたが、それが8月後半にかけてすでに始まっていた可能性がある。邦銀が「米債バブル」演出者だったとして、その演出者の買いに急ブレーキがかかったら、バブル破裂で金利急上昇が起こる可能性も注目される。(了)

【参考リンク】
*注1.米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=3&CODE=USGG10&KCD=&chr=long#osatab

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2010.09.06 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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