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欧州通貨は「復活」するのか

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

年末年始から続いてきたユーロ安が一段落の可能性をみせてきた。ここ数年のユーロには、「2月まで弱いが、3-4月にかけて復活する」といったパターンがあったが、今年もそんなふうになるのだろうか。

◆ユーロ「復活の春」、今年はどうか?
ユーロの総合力を示す実効相場を調べてみると、過去2年連続で2月中旬に当面の底打ちとなっていた。さて、今年もこれまでのところのユーロ実効相場安値は、2月15日に記録している。これをみる限り、ギリシャ財政危機等で大騒動となったものの、ユーロの値動きパターンとしては2月中旬にユーロ安からユーロ高に転換するここ数年の傾向が今年も繰り返されているに過ぎないようでもある。
ところで、ここ数年の「3-4月にかけてのユーロ復活」パターンもこれから繰り返されるのだろうか。たとえば、昨年のユーロ実効相場は、2月中旬にかけて6%超の急落となったが、3月にかけては一転6%超の反発を演じた。言い方をかえると、2月中旬を境にユーロ安からユーロ高「行って来い」となったわけだ。
これはユーロドルの動きでみても近いものだった。昨年のユーロは対ドルで3月初めにかけて10%の急落となったが、その3月中に一転9%の急反発となった。
さて、今年のユーロドルは1.43ドルからユーロ安・ドル高が展開し、ここまでのところ一時1.35ドル割れとなった。もしも例年通りに、2月中旬でユーロ安からユーロ高に転換し、「ユーロ復活の春」が繰り返されるなら、ユーロは1.4ドルを超えて、今年スタートした水準近くまで戻ることになるが、果たしてどうか?

◆ポンド安の「三重苦」
英ポンドの下落が続いている。ただ、ポンドは短期的にも長期的にも「下がり過ぎ」領域に入っており、さらに「売られ過ぎ」の可能性もある。つまりポンド安は「三重苦」の状況にあるともいえるだろう。その意味ではとくに目先このまま130円を大きく割り込むなどのポンド続落は微妙ではないか。
経験的には、ポンド(対円)の90日移動平均線からのかい離率がマイナス10%を超えると短期下がり過ぎ懸念が強いといえる。ポンド円の90日線は、3月9日現在で144.6円だから、かい離率マイナス10%は130.1円という計算になる。
次に長期の行き過ぎを、5年移動平均線からのかい離率で見てみよう。同かい離率がマイナス30%を超えると経験的には長期下がり過ぎになるが、3月9日現在ですでにマイナス31%に達している。その意味では、ポンドは長期的に見ても下がり過ぎ領域を推移しているといえるだろう。
最後に、ポンドのポジションを見てみよう。CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、3月2日現在でポンドは6.7万枚と過去最高のネット・ショート(売り持ち)になっていた。極端な言い方をすると、未曾有の「売られ過ぎ」になっているということだろう。
このようなポンド安の背景には、ギリシャから始まった欧州財政問題の影響があるだろう。ただ「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数や、欧州のCDSスプレッドなどおもなリスクプレミアム指標も悪化が峠を超え、改善に転じている。以上からすると、ポンド安の持続性には限界があり、いつ行き過ぎの反動が広がってもおかしくないのではないか。(了)

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2010.03.11 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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