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日米協調緩和のシナリオ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

 8月10日予定のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加緩和観測が流れ、ドル全面安になっている。ただこの8月10日は日銀の金融政策決定会合も予定されている。ドル安・円高阻止への注目が高まる中で、日銀も追加緩和を決定、日米協調緩和になる可能性もありそうだ。

◆米追加緩和と円高阻止
日米協調金融緩和ではなく、日米協調利下げは、プラザ合意でドル安・円高が物凄い勢いで展開した1980年代後半などに何度か見られた。米国が景気刺激のために利下げに動くと、それがドル安につながるため、ドル安の結果としての円高を阻止するために、日銀もほぼ同じタイミングで利下げに動くというものだ。
ここに来て、米経済の「二番底」回避のために、FRB(米連邦準備制度理事会)が8月のFOMCでも追加緩和に動くとの観測が浮上している。すでに実質ゼロ金利政策になっているため、再利下げは難しいとなると、政策金利引き下げ以外の金融緩和策ということになる。それは日銀の場合も同じで、協調利下げではなく、協調緩和ということになるわけだ。
ところで、かりに日米協調緩和となったら、それはドル安・円高阻止へ効果があるだろうか。たとえば、今回かりにFOMCが追加緩和に動くなら、2008年12月のケースに似ているかもしれない。すでに米金利がかなり下がり過ぎの中で、2008年12月FOMCは実質ゼロ金利を決定したが、それを受けた米金利は下がり過ぎを極め、急反騰に転じた(注1)。
もう一つ、今回かりに追加緩和するなら、1998年9月の局面に似ているのではないか。米国内経済はそれほど問題がなかったものの、海外要因から追加緩和に踏み切らざるをえなくなった1998年9月は、今回ユーロ危機などから「二番底」懸念となってきた状況に似ている。ところで、その1998年9月は、追加緩和を前後し、米株は底打ち、反騰に転じた(注2)。
以上のように、この8月FOMCでかりに追加緩和に動き、それが過去における2008年12月や1998年9月に似ているなら、これは米金利と米株の上昇をもたらしそうだ。もしそこに、日銀が協調緩和に動くなら、ドル高・円安をもたらす可能性は高いのではないか。

◆究極の円高阻止策の可能性
ところで、日本経済デフレ対策および円高阻止策での日銀による追加緩和策として、昨年11-12月に一部で外債購入への期待が取り沙汰された。ここに来て、その昨年11-12月以来の円高・ドル安局面となる中で、「究極の円高阻止策」としてあらためてその可能性が注目される。
日銀の外債購入は、2002年にかけても一時注目されたことがあった。資金供給と実質的な外貨買い介入効果も持つ、究極の非伝統的政策として、2002年2月にかけて135円まで円一段安が起こるきっかけにもなった。
結果的にこの時は、金融緩和策としての外債購入は見送られた形になったが、舞台裏では通貨政策を担当している財務省の反対があったと囁かれた。日銀が外債購入に動くと、実質的に為替相場へ影響することになり、通貨政策を担当する財務省の権限が脅かされることを警戒したとみられた。
上述のような、2002年2月にかけての135円への円安は、通貨当局である財務省が円安誘導しているといった観測がきっかけになった面が強かったが、これは日銀の外債購入を回避するために、財務省が円安・外貨高へ誘導したとの見方が、まことしやかに囁かれた。
さて、最近の局面は、この2002年と異なりドル安・円高になっている。ましてや、米国債は供給過剰に伴う先行き需給不安を抱えている。円高阻止でも、米国債購入でも、そしてデフレ対策の金融緩和といった観点でも、2002年当時よりは、日銀の外債購入は歓迎されそうな局面にある。(了)


注1.米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=3&CODE=USGG10#osatab
注2.NYダウの90日移動平均瀬からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=4&CODE=INDU&KCD=&chr=#osatab

2010.08.05 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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