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試される円買い・ドル売りの持続力

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

円買いが「行き過ぎ」警戒域に入ってきたようだ。昨年11月に記録した84円台の対ドルでの円高値更新含みの展開になってきたが、円買いの持続力も正念場を迎えているのではないか。

◆限界圏に達した円買い
私は相場の行き過ぎをチェックするオーバーシュート・アラート(OSA)の中で、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のポジションも確認している。それによると、円のポジションは、7月6日現在では3.7万枚のネット・ロング(買い持ち)だったが、13日現在では4.7万枚へ急拡大した(https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp)。
これは、今年に入ってから最大の円ロング。円のネット・ロング最高は、2008年3月25日に記録した6.5万枚。経験的には、ネット・ロングが5-6万枚に達すると円買いは限界で一巡するといえそうだ。13日以降、一段と円高が進んだことからすると、円のネット・ロングは5万枚を超えて、行き過ぎの限界域に入っている可能性が考えられる。
ところで、このような円買いを後押ししているのが米金利低下を受けたドル売り。ただこの米金利低下も、OSAの90日移動平均線からのかい離率などで見ると短期下がり過ぎ懸念がかなり強くなっている。円買いも、米金利低下も、行き過ぎ一巡後は反動も大きくなる可能性がありそうだ。

◆ドル「買われ過ぎ」の是正
7月にかけてドルは一段安になった。この背景には、ドル「買われ過ぎ」の修正圧力もあったと考えられるが、しかしそれ自体はほぼ一巡したようだ。
米ドルのポジション(主要5通貨=円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、加ドルのポジション累計から試算) は、ネット・ロング(買い持ち)が5月初めに過去最高を大幅に更新し、20万枚近くにも拡大した。つまり米ドルは空前の「買われ過ぎ」になっていた可能性があったわけだ。
ところが、そんなドルのネット・ロングは6月以降急ピッチで縮小に向かった。そして7月13日には、今年に入ってから初めてのネット・ショート(売り持ち)に小幅ではあったが転じた。空前のドル「買われ過ぎ」は、7月中旬にかけてほぼ是正されたようだ。
ドルは対円でこの7月に入ってから年初来安値を更新してきた。また対ユーロでは、1.22ドルで7月にスタートし、一時1.3ドルを記録するなど、大幅なドル安・ユーロ高となった。こういった中で、ドルの総合力を示す実効相場も一段安となり、一時は4月下旬以来、約3カ月ぶりの水準まで下落した(https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=2&CODE=CEERUS#osatab)。
季節的には、7月はむしろドル高になりやすい傾向がある。ドルの対円騰落状況を調べると、7月はドル高最多記録となっていた。そんな「ドル高の7月」に、ドル安が大きく進んだ背景には、ドル「買われ過ぎ」修正圧力があったと考えられる。ただ、そんなドル「買われ過ぎ」は、ほぼ是正されたようだ。その中で、果たしてドル「売られ過ぎ」拡大に向かうだろうか。(了)

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2010.07.22 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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