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ユーロ、1.3ドル、120円のシナリオ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

6月から目立ってきたユーロ反発を追いかけるように、株・金利も反発が拡大してきた。結局、6月にかけて続いてきたユーロ発金融混乱、「ユーロ・ショック」の修正といった展開になっている。今回は、そんな「ユーロ・ショック」修正相場の目標について考察してみた。

ユーロ・ショックの転換

 ユーロと株、金利は、4月頃から、ユーロ安・株安・金利低下、ユーロ高・株高・金利上昇と同じ方向に動く展開が続いてきたが、6月末から7月初めにかけて、ユーロが大きく反発に向かう動きを尻目に、株は一段安で年初来安値を更新、米金利も年初来安値を更新するといった具合に、ユーロと株、金利が逆方向へ動き出した。
 こういった動きについて、金融混乱の主役がユーロ・欧州からドル・米国へシフトしてきた結果との見方もあったが、私はそうではなくて、4月頃から続いてきたユーロ発金融混乱、「ユーロ・ショック」相場の行き過ぎ修正が始まっているのであり、株も金利も上昇に転換すると考えたが、実際そんな感じになってきた。
 ユーロ発金融混乱から「ドル発金融混乱」に変わるのか、それとも金融混乱自体が一段落するのかでは、大きな違いがある。私の見方は後者だったが、形をかえてリスク回避が続いているわけではなく、リスク回帰に戻ったということなら、資源国通貨、豪ドルなどが急上昇となったのも当然の結果だっただろう。

OSAで考える豪ドル、ユーロ、米ドルの反発目標

 さて、豪ドルについてもう少し詳しく考えてみよう。豪ドル円は、一時72円台まで急落したが、ここで90日移動平均線からのかい離率はマイナス10%程度に拡大し、経験的には短期下がり過ぎ限界の動きとなった。
 ところで、このように下落方向へ振れ過ぎた動きは、「振り子の原理」が働いて、揺り戻しも大きなものとなり、経験的には最低でも90日線を回復するもの。ちなみに、私が相場の行き過ぎをチェックする方法として構築しているオーバーシュート・アラート(OSA)によると、豪ドル円の90日線は12日現在で81円程度だから、下がり過ぎ修正の豪ドルはその辺まで上がる可能性があるのではないか。
ではユーロ円はどうか。ユーロ円も一時90日線からのかい離率が、経験的に「下がり過ぎ限界圏」といえるマイナス10%前後まで拡大した。下がり過ぎが一巡し、その修正が「振り子の法則」で90日線回復まで続くなら、OSAによると、12日現在では118円程度になる。
 ユーロドルは一時1.3ドル台までユーロ高となった。これでユーロ下がり過ぎ修正は終わったのか。ユーロドルの90日線からのかい離率も一時マイナス10%程度に拡大した。これまで見てきたように、下がり過ぎ修正で90日線を回復するなら、12日現在でそれは1.29ドル程度になる。
 90日線は、過去90営業日の平均だから、少しずつ変化するもの。そして、下がり過ぎの修正も、90日線に届いておしまいということではなく、普通は、勢い余って90日線を上ぶれるものだから、今回の場合、ユーロ円なら120円、ユーロドルなら1.3ドルといった大台を一つの目標と考えていいだろう。
 では、ドル円はどうか。7月初めに一時86円台まで円高・ドル安となったが、じつはその中で円買いも今年最大規模に拡大してきたようだ。OSAでは、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のポジションを確認しているが、それによると円のネット・ロング(買い持ち)は、7月初めにかけて今年最高を更新してきた。
 ところで、更新する前の円のネット・ロング今年最高は3月初めに記録したものだった。しかしその後4月にかけて米金利が上昇に向かうと、円買い・ドル売りに傾斜したポジションが逆流し、円安・ドル高へ振れる展開になった。
 私は、今回、金利も下がり過ぎ修正で上昇に向かうと考えている。そうであれば、3月のように円買い・ドル売りに傾斜ポジションの調整が入りやすいと思う。 (了)

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2010.07.20 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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