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ドル安・円高の鍵握る投機円買い

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

3月に入ってからドルは一時90円を大きく割り込んできた。すでにドルはかなり「買われ過ぎ」になっていたため、その修正が入った可能性がある。おりしも、2月後半から、米利上げ見通しが一部で後ズレし始めており、それもドル「買われ過ぎ」修正のきっかけになっただろう。こういった中で、90円を割り込む円高の割に「余裕」のある投機円買いに弾みがつくようなら、一段と円高・ドル安が波乱含みになる可能性もある。

ユーロも「売られ過ぎ」修正の展開

ヘッジファンドなど投機筋の取引を反映しているとされるCFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、年末年始からほぼ一本調子でドル高・ユーロ安となってきた中で、さすがにドル「買われ過ぎ」、ユーロ「売られ過ぎ」懸念が強くなっていた。
その中で、2月後半、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の半期金融政策に関する議会証言など、今後の米金融政策、「出口政策」を考える上で重要なイベントが相次いだ。これらを受けて、一部のFEDウォッチャーは、米利上げ開始のタイミングを今年7-9月期から大きく後ズレさせ始め、それに伴い米金利も低下傾向となった。こういったことが、ドル「買われ過ぎ」修正のきっかけになったと考えられる。
ところで、このようにドルは「買われ過ぎ」となっていたが、円のポジションは最近まで極端な偏りがなかったようだ。90円を下回るドル安・円高は、ここ数年の円最高値圏だから、ここまで来たところで円が「買われ過ぎ」となっていても不思議はない。円がこの間の最高値圏に達しながら、投機円買い余力を多く残しているのは注目されるところ。
ドル「買われ過ぎ」修正で始まったドル安・円高が、円「買われ過ぎ」拡大に向かうようなら、一段と円高・ドル安に弾みがつく可能性はある。3月は、日本企業の決算期末に当たり、商いも薄くなりがちで、その中で荒い値動きから大相場になることも少なくない。
3月ドル円平均値幅は6円を上回っている。その意味では、90円を大きく超えないまま、3月が「平均」の動きとなるなら、昨年11月末に記録したこの間のドル安値、84円台の更新が視野に入る計算となる。それが実現するかは、「余力」のある投機円買いがどう動くかが一つのポイントだろう。
この間の日本政府の動きをみると、90円を大きく超えるドル安・円高になると、けん制姿勢を強める傾向がある。とくに決算期末だけに、そういった政府の姿勢が投機円買いへのけん制になるか、逆に投機円買いに「口実」を与える可能性もあるだろう。
ユーロは上述のように「売られ過ぎ」、それも空前規模の「売られ過ぎ」になっていた。一部報道によると、米司法省が投機ユーロ売り調査に動いているとされるため、修正のユーロ買い戻しが広がりやすくなっているだろう。 (了)

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2010.03.08 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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