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ユーロショックのクライマックス

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

5月から広がったユーロ危機に伴う世界同時株安、金利低下といった「ユーロショック」ともいえる展開が修正気味になってきた。米株は昨年も5月の下落から6月は反発に転じたが、今年も同じになるのか。米金利には例年6月に重要な基調転換が起こる「アノマリー」があるが、今年もそうなのか。

低金利でも株安へ転換と言う不思議

下図は、NYダウと米国の政策金利であるFFレートのグラフを重ねたもの。両者は、山、谷がほぼ一致しているといえるだろう。ちなみに、日経平均とFFレートを重ねると、さらに相関性の高いことがわかる。
 この2つのグラフからわかることは、株価は基本的には人為的なものだということだろう。利下げを続ければ、株価は下げ止まり、一方で利上げを続けていけば株価も上げ止まるということだ。
 この結果、「最後の利下げ」ないし「最初の利上げ」のタイミングは、株の底値とほぼ一致し、一方「最後の利上げ」ないし「最初の利下げ」のタイミングは、株の天井とほぼ一致するというわけだ。
 さて、現在は、2008年12月に決めた米実質ゼロ金利政策を、1年以上も続けている最中にある。つまり「最後の利下げ」ないし「最初の利上げ」のタイミングにある。そういった中で、昨年春から続いてきた株価が天井をつけて株安に転換するといったことは基本的には考えにくいだろう。

株安・金利低下は「間違い」なのか

 相場は「間違う」ものだ。その意味では、米国が実質ゼロ金利という超低金利政策を続けているのに、株高から株安に転じようとした動きは、「間違い」だったのではないか。それとも、「間違い」でないとするなら、超低金利を続ける中でも株安に転換させるほど、ユーロ危機の衝撃は大きいということなのか。
相場には「間違い」がつきものだが、「間違い」は必ず修正される。もしも、超低金利を続ける中でも起こった株安、それに伴う金利低下が「間違い」だとしたら、その修正はいつ起こるのか。
今年と同じように、超低金利を米国が続ける中でも5月に株安となったが、6月は株高に転換した。その意味では、5月の株安が「間違い」なら、6月に早々と修正される可能性はあるだろう。
また、金利に注目すると、米長期金利には、6月には重要な基調転換が起こる「アノマリー」がある。その意味では、もしも「間違った金利低下」なら、それはこの6月に修正され、金利上昇へ転換する可能性が考えられるだろう。

「何でもユーロ安」は続くのか?

こんなふうに、5月からの株安・金利低下が「間違い」であり、それがこの6月にも修正されるとしたら、そのきっかけになったユーロ危機もそろそろ一段落となるのだろうか。
ユーロドル相場と米金利を重ねてみると、過去半年以上も続いてきたユーロ安・ドル高だが、それはこの4月までは米金利上昇・ドル高といった動きであり、ところが4月から米金利低下でもドル高・ユーロ安に変わったことがわかる。
4月までの米金利上昇は、世界景気回復に伴うリスク選好の結果だ。そして、4月からの米金利低下は、世界同時株安などを受けたリスク回避の結果。つまり、ユーロ安は、4月まではリスク選好の結果として、4月からはリスク回避の結果として、まったく異なる「2つの顔」で展開してきたといえる。
リスク選好でも、リスク回避でもユーロ安。また、ギリシャ懸念でも、ハンガリー懸念でもユーロ安といった具合に、「何でもユーロ安」といった構図がいつまで続くのか。理屈抜きで条件反射的な動きは、転換点が近いということではないか。(了)
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2010.06.21 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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