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米雇用統計発表で為替はどうなる?

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

ドル円は方向観の乏しい展開が続いている。これは今年に限ったことではなく、少なくとも過去3年、5月末前後のドル円はレンジ相場が展開し、そしてそれは6月に入るとレンジ放れに向かった。きっかけは米雇用統計発表だったが、さて今年はどうか?

◆雇用統計に敏感な6月
過去3年連続で、5月末を前後して続いたレンジ相場が、6月に入ってレンジ放れとなった「影の主役」は米金利だっただろう。米長期金利は6月に年間の天井ないし底値をつけやすく、しかも過去4年連続で6月に年間最高値を記録していた。そして、米長期金利がそんな6月に天井をつけにいく動きが、過去3年は雇用統計発表をきっかけとした形となっていたわけだ。
さて、今年の場合は、過去4年とは逆に、米長期金利はまさに5月から急低下となり、一時は年初来安値更新となった。景気指標の改善が続くことと逆行した展開になっているのは、「ユーロ危機」をきっかけにリスク回避ムードが広がったことが大きい。
ただ上述のアノマリーからすると、こういった米金利低下が6月は基調転換に向かうと言った見通しになる。今週末発表の雇用統計が、米金利低下クライマックスのきっかけになる可能性は注目される。

◆NFP50万人増の影響力は?
ところでその米雇用統計、注目の非農業部門雇用者数(NFP)は50万人もの激増になるとの見方が事前予想コンセンサスになっている。センサス(国勢調査)に伴う臨時雇用が35-40万人見込まれていることが主因だが、それを除く民間雇用増も今年1-4月平均で12万人と好調だ。ユーロ危機から米株も反落、米金利低下となっているが、ファンダメンタルズとのギャップを再確認させる可能性がある。
4月のNFPは29万人増だった。ただ一つ注目されたのは、特殊要因であるセンサス(国勢調査)での臨時雇用増が意外に少ない、6.6万人にとどまったということ。ところで、それは修正された3月NFPについてもいえることだった。3月NFPは23万人増に上方修正されたが、このうちのセンサス要因は4.8万人だった。つまり、センサス以外のNFP増は、2カ月連続で20万人前後にも達したのである。
こんなふうに、特殊要因を除く実力ベースでの雇用増が予想を上回って推移しているということとは逆に、上述のように特殊要因、センサスに伴う臨時雇用増は過去2カ月予想以下にとどまった。5月以降は、その反動でこの特殊要因の雇用増が上ぶれる可能性がある。
ちなみに、前回のセンサスがあったのは2000年だが、4月までのセンサス要因での雇用増は18万人。今回は15万人にとどまっており、前回に比べてやや少なめだ。この出遅れ分が5月に入ると、5月のNFPはセンサス要因だけで37万人も押し上げられるといった試算になるという。先に見てきた、センサス以外の雇用増と合わせると、5月のNFPは一気に50万人増となってもおかしくない計算になるわけだ。(了)

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2010.06.03 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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