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資源国通貨の反落リスクを考える

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

世界的な株安で、リスク回避ムードが急拡大している。リスク回避では、米ドル、円同時高となる結果、クロス円の下落が広がりやすい。すでに急落している欧州通貨に対し、資源国通貨なども急落に向かう可能性は注目される。

◆欧州通貨より反落リスクが大きい?
相場の中長期の行き過ぎをチェックする5年移動平均線からのかい離率を見ると、ユーロ円や英ポンド円といった欧州通貨円相場は下がり過ぎ限界圏まですでに下落している。これに対して、資源国通貨の代表格である豪ドルの対円相場は、5年線が現在86円程度だから、かい離率マイナス10%で77円程度といった計算になる。
「100年に一度の危機」が広がった中で、2009年1-2月にかけてユーロ円も豪ドル円もともに5年線を2-3割下回り、経験的な下がり過ぎ限界圏まで下落した。しかし最近にかけて、ユーロ円はふたたびそんな下がり過ぎ限界圏まで下落してきたのに対し、豪ドル円はまだ5年線を小幅に下回っているに過ぎない。中長期の割安感で見ると、欧州通貨円と豪ドルなど資源国通貨円ではかなり差があるといえそうだ。
「止まらないユーロ安」で世界的に株価反落が広がり、リスク回避ムードが強まっているが、その中でのクロス円割安拡大余地では、欧州通貨円と豪ドルなど資源国通貨円ではかなり差がありそうだ。

◆「買われ過ぎ」修正のプロセス
豪ドルやカナダ・ドルといった資源国通貨が売られてきた。資源国通貨はこの間「買われ過ぎ」懸念が強かっただけに、その修正はまだ続く可能性がありそうだ。
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、豪ドルのネット・ロング(買い持ち)は5月11日現在で4.9万枚となり、3月2日(4.8万枚)以来の水準に縮小してきた。この間のピークは4月13日に記録した8万枚だったから、それより4割程度の縮小となったわけだ。
また、もう一つの代表的な資源国通貨であるカナダ・ドルのネット・ロングも急ピッチで縮小している。同ネット・ロングは、5月11日現在で5万枚となり、やはり3月2日(3.8万枚)以来の水準に縮小した。ピークは3月23日に記録した7.3万枚だから、それより3割程度の縮小だ。
経験的に、豪ドルもカナダ・ドルも、ネット・ロング6万枚以上は「買われ過ぎ」懸念が強い。その意味では、最近にかけてリスク回避ムードが急拡大する中で、「買われ過ぎ」の修正が広がってきたといえるだろう。また、「買われ過ぎ」修正は、まだ途上と考えられるため、さらに広がる可能性も要注意だろう。(了)

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2010.05.20 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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