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「1年で最も動く3月」、今年は?

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

3月のドル円平均値幅は、一年12カ月の中で断トツの最大。つまり3月は「一年で最もドル円が動く月」といえる。ここ数年2月下旬から荒れ始めた展開が、3月にかけて持ち込まれるといったパターンが続いてきたが、今年もそんなふうになるか。「一年で最も動く3月」の真骨頂が、3月に入って早々に試されることになりそうだ。

3月のドル円平均値幅は6.5円

2月に入ってから90円をはさんだ方向感の乏しい展開が続いていたドル円だが、下旬にかかる中でやや荒れ気味の展開になってきた。2月ドル円は例年、下旬に入るととたんに、「豹変」したように荒れた動きになることが多かったが、果たして今回はどうか?
下表は、ここ数年の2月下旬から3月初めにかけての為替の動きをまとめたもの。これをみると、2月20日の終値から、3月初めにかけてドルは対円で最低でも3%近く、最大では10%以上も上昇ないし下落となっていた。
さて、今年の2月20日は土曜だから、その前日19日の終値となると91.5円。それから3月初めにかけて少なくとも3%以上一方向に動くなら、ドル高の場合は94円を超えるし、ドル安の場合なら89円割れに向かうといった計算になるが、これまでのところはまさに後者のパターンになっている。
ところで、なぜこんな具合に、2月下旬はここ数年「荒れ相場」になることが多かったのか。テーマは一様ではなかったようだ。たとえば、過去2年間は、「100年に一度の危機」、ベアスターンズ・ショックといった具合に金融危機がきっかけになった。これに対して、2006-2007年は、新興国要因がきっかけになることが多かった。
ただこういったことの裏に隠された「真の主役」は、FRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言ではないか。FRB議長は、いうまでもなく、米金融政策の最高責任者だが、その最高責任者は、2月と7月の年2回、金融政策に関する重要な議会証言をおこなうルールになっている。例年2月下旬は、そのうちの1回がおこなわれるタイミングに重なる。
米金融政策の最高責任者がおこなう、年2回の重要証言のせいではないかと思うが、この証言後に米金利がしばらく一方向へ動く傾向がある。ところで、そんな米金利はドル円との相関性が高いことで知られているから、「FRB議長証言→米金利に方向性→ドル円にも方向性」といった具合になるのではないか。
さて、2月24日のバーナンキ証言後に、米金利は低下、ドルも一時下落となった。例年通りに、FRB議長証言で当面の方向性が決まることになるかが、3月第1週で試されることになる。

<月間アウトルック=3月>

ところで3月のドル円平均値幅は、過去10年間で6.5円。これは12月(6円)を大きく上回り、一年12カ月の中で断トツの最大値幅だ。つまり3月は「一年で最も為替が動く月」といえる。ちなみに、過去10年間で、3月のドル円値幅が5円を上回ったのは7回。
なぜこんなふうに、3月のドル円は大きく動くことが多かったのか。3月は日本企業の決算期末になるため、取引は手控え気味になることも少なくない。そのため逆に、薄商いで値が荒れることはあったのだろう。また、上述の通り、ここ数年間は2月下旬から3月初めにかけて荒れやすいケースが多かったということはある。
そして、年度末決算が実質的に終わると、新年度にかけて相場が大きく動くというケースもある。さて、今年も「一年で最も動く3月」になるか。その最初の試金石がさっそく第1週ということになるだろう。(了)

20100301a_img.gif

2010.03.05 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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