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パターン通りの4月ドル高調整

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

ドルは4月にかけて対円でこの間のレンジを上放れる展開となったが、注目された米雇用統計発表を前後して反落に転じた。そもそも、4月前半は相場が転換しやすいタイミングであることにくわえ、ドル買い、米金利上昇とも目先息切れ感が強くなっていたことを考えると、ある程度予想通りのドル高・円安調整局面といえそうだ。

ドル「買われ過ぎ」の反動

ドルは、昨年4月初めに101円をつけると、結果的にそれが年間のドル高値となった。こんなふうに昨年は、4月初めがドル高からドル安への転換点となったが、そもそもこの4月前半のタイミングは相場の転換が起こりやすい。今年も注目された4月2日の米雇用統計発表を前後し、ドル高からドル安へ転換した形になったが、あくまで例年通りの展開といえるだろう。
問題は、昨年同様に今年もすでにドル高・円安は終わったか、終わりつつあるかということ。それとも、昨年とは異なり、今回の動きはあくまで調整局面にとどまり、昨年暮れから続いてきたドル高・円安基調は、まだ終わっていないのか。それを考える上では、今回のドル反落が、90円を割れる本格的なものになるか、そこまで至らないかが一つの目安になるだろう。
別な言い方をすると、今回のドル反落があくまでこの間のドル高の調整局面に過ぎないとしても、90円程度までの動きになる可能性は十分あるだろう。ドルはかなり「買われ過ぎ」懸念が強くなっており、それを後押ししたともいえる米金利上昇にも、目先息切れ感が強くなり、その反動だけでも大きな動きになりそうだからだ。
たとえば、CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、米ドルのポジション(非米ドル主要5通貨のポジションをもとにした推計値)は、3月30日現在で11万枚のネット・ロング(買い持ち)だった。経験的には、10万枚を超えるネット・ロングは「買われ過ぎ」圏だ。そして、「買われ過ぎ」一巡後のドル反落は、経験的にみると最低でも4-5%にのぼっていた。今回、95円手前からのドル反落が、このままドル「買われ過ぎ」修正として広がったとして、90-92円程度まではありえる計算になる。

ユーロ安はクライマックスなのか?!

では、さらに90円をドルが大きく割り込む動きに向かうだろうか。昨年12月の85円から続いてきたドル高・円安は、95円手前まで進んだことにより、ドルの最大上昇率は10%に達した。こういったプライスアクションは、米利上げを織り込むパターン通りといえる。
過去の米利上げ前のドルの動きをみると、利上げ開始前後まで、10-15%のドル上昇となるのが基本パターンだ。その意味では、この間の数ヶ月で10%のドル高は、まさに「米利上げ前のドル高」パターンに沿った動きと考えられる。その上で、米利上げシナリオが完全に消えないかぎり、「利上げ前のドル高」も、まだ続くと考えるのが基本ではないか。
最後にユーロについて。ユーロはギリシャ懸念再燃などにより、依然として下落基調が続いている。ただすでにユーロのネット・ショート(売り持ち)が史上最大になっているということにくわえ、これまでみてきたようにドルも「買われ過ぎ」になっているということからすると、ユーロ安も目先のクライマックスに近いのではないか。
ユーロの総合力を示す実効相場は、2月中旬にいったん底打ちとなったが、これはドルのネット・ロング拡大が一巡するタイミングでもあったことは、今回も参考にしたい。(了)

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2010.04.12 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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