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円売り、ドル買い、それぞれの「行き過ぎ」

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

円売りが急拡大してきた。経験的には、現状程度の日米金利差「ドル優位」程度では、円売り・ドル買いの持続性が微妙な段階に入ってきたといえそうだ。

◆試される金利差なき円売り
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、円の投機的ポジションは、3月30日現在で3万枚のネット・ショート(売り持ち)となった。円のネット・ショートが3万枚を超えたのは、2007年10月以来だから、約2年半ぶりのことになる。
ところで、円のネット・ショートは、2007年6月には18万枚まで拡大した。それを考えると、3万枚程度のネット・ショートは、決して円の「売られ過ぎ」を感じさせるものではない。ただ、2007年と最近では、円売り・ドル買いを取り巻く環境が大きく異なっていた。最大の違いは金利差だ。2007年の日米の政策金利差「ドル優位」は5%にも達していたが、最近はたったの1%未満にとどまっている。
こんなふうに日米金利差が圧倒的にドル優位だった中で、円のネット・ショートも3万枚を超えて大幅に拡大した状況が2005年3月から2007年10月にかけて約2年半も断続的に展開した。一方で、日米政策金利差ドル優位が2%を下回っていた2004年3月にも円のネット・ショートが3万枚超になったことがあったが、それは2週間程度の短期で一巡した。
最近は、そんな2004年よりも金利差ドル優位が小幅な中で、円売り・ドル買いが果たして継続するのだろうか。円売り・ドル買いの持続性が試される段階に入ってきたといえそうだ。

◆ドルの「買われ過ぎ」警戒域
一方、米ドルは「買われ過ぎ」懸念が出てきた。「買われ過ぎ」が一巡すると、経験的には5%前後のドル反落に向かうことになる。
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、米ドルのポジション(非米ドル主要5通貨のポジションから推計)は、3月30日現在で11.9万枚のネット・ロング(買い持ち)だった。経験的には、ネット・ロングが10万枚を超えてくると、米ドルの「買われ過ぎ」警戒域といえる。
実際、2月下旬にも、米ドルのネット・ロングが10万枚を超えたことがあったが、この時も11万枚でネット・ロングは拡大ピークアウトとなり、その後米ドルは最大で4.4%の反落となった。こんなふうに、「買われ過ぎ」が一巡し、その修正が入る中では米ドルが5%前後反落するパターンが基本だ。
過去には、ネット・ロングが15万枚前後まで拡大したこともあり、その意味では「買われ過ぎ」がさらに広がる可能性も否定できない。ただ、「買われ過ぎ」の修正では、最低でも4%以上のドル反落になりそうだから、かりに95円程度から4%以上のドル反落になるなら92円割れといった計算になる。(了)

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2010.04.08 | コメント(0) | トラックバック(0) | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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