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ドル大底打ち「やり直し」はあるのか?

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

一時85円台まで一気にドル高が進んだ際には、長く続いてきたドル安・円高からドル高・円安への基調転換が起こったかと思われたところ、ふたたびドルは上がりにくくなってきた。果たしてまだドル安は終わっていなかったということもありうるのだろうか。

◆ドル高パターンで考える
じつは、あのザラ場76円、終値78円というこの間のドル安値を記録した3月17日から、今週で50営業日以上過ぎてきた。これまでのドル高パターンを見ても、50-60営業日程度過ぎた段階で今回のようにドルが反落し、スタート時点から見てそれほど上がっていなかった例は、必ずしも珍しくない。
たとえば、2000年1月から始まったドル高では、ドル高開始から60営業日以上過ぎたところで、ドルは上昇率を1%強まで縮小した。これは終値ベースの話だから、今回に当てはめると終値でドルが80円を少し割れるくらいは、過去のドル高パターンの中にもあった現象だった。
これまでのドル高パターンを見ても、ドルが終値ベースで10%以上の上昇となり、誰の目からもドル高への転換が明らかになってくるのは最短でも3カ月半から半年かかっていた。今回の場合なら、終値で10%のドル高は86円を超えていく計算になるが、それは早くても7月、遅ければ9月以降になるということだ。それまでは、86円以下の水準で、上がったり下がったりの一進一退が続くのが、これまでのドル高パターンからみても普通の動きということだ。
逆にいえば、ドル反落がさらに拡大、ドル上昇率が1%未満に縮小する、今回に当てはめると終値で79円半ばを割り込んでくるようなら、それはこの間のドル高パターンで説明できない動きだから、じつはまだドル高へは転換しておらず、つまりドルはあの76円でも底を打っていなかった可能性も出てくることになる。

◆4年以上続くドル安・円高は少ない
今回のドル安・円高は2007年6月の124円から始まったので、ちょうどこの5月で丸4年過ぎたことになる。すでに今年3月の76円でそれが終わっていたということなら、3年9カ月、ドル下落率は4割弱だったということになる。それでも、1988年以降のドル安の持続期間3年1カ月、下落率35%のといった平均以上だったわけだ。
ちなみに、1988年以降で見る限り、ドル安・円高が4年以上続き、ドルが4割以上の下落となったのは1回しかなった。その意味では、今回の円高・ドル安はすでに終わったか、そうでなくても残り少ないことには変わりないだろう。
それにしても、ドル安がもう終わったか、もう一波乱残しているのか、それを見極めるのがこの6月ということになりそうだ。(了)

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2011.06.02 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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