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ドル「二番底」の判定法

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

3月にドル円80円前後でG7協調円売り介入があったが、同じ80円に戻ってきたところで最近との大きな違いはクロス円だった。クロス円が3月に比べて大幅な円安となっている中では、日米以外での協調介入は難しい。逆にいえば、クロス円が円一段高となって、それに引きずられてドル円も80円を大きく下回ってくるようなら、円売り協調介入はやりやすくなる。

◆2つのシナリオ
また、協調介入がなくても、ドル買い戻しが全体的に広がる中で、ドル円が82円を大きく越えてくるようなら、それでドルがすでに大底を打ったという、「二番底」確認になる可能性はあるだろう。
相場のリード役になりやすいヘッジファンドは、120日移動平均線を重視するようだが、それは現在82円半ば。その意味では、82円半ばをドルが下回っている限りはドル売り継続だろうが、82円半ばをドルが上回ってくるとドル買い・円売りに戦略転換する可能性がある。
経験的に、ドルの「二番底」は「一番底」から1カ月余り経過したところで確認するものだから、その意味ではかりに3月17日76円が「一番底」だったら、「二番底」は早ければこの5月前半に、遅くとも5月中に確認することになる。
それは、協調介入再現がきっかけになる場合と、協調介入がない場合と2つ考えられる。前者は、クロス円下落で円全面高再燃となった場合、そして後者はドルが82円を大きく超えていった場合ということだ。

◆過去のドル高パターン
ところで、1988年以降、4回のドル高・円安基調を調べたところ、対円でドル高基調が始まってから、終値ベースでドルが10%以上の上昇となるまでは、最短でも80営業日以上、遅いときには130営業日以上もかかっていた。3カ月半から半年かかるといったイメージだったわけだ。
さて、これまでのドル安値は、3月17日の78.9円(終値ベース)。それからドルが10%上昇すると86円を超えていく計算になる。これまでのところ、ドルはまさにそんな「10%の壁」を前にして反落に転じた形になっている。
ただそれも、これまで見てきたことからすると当然の結果ということになる。すでにドル高基調へ転換していたとしても、経験的には「10%の壁」を突破し、86円を終値ベースでも超えていくのは早くて7月以降、遅ければ秋以降といった見通しになるわけだ。
一方で、あの3月17日からすでに40営業日以上経過しつつあるが、かりにあの3月17日の78.9円を底値とした場合、それからの反発率は2%(80.5円)前後の水準で推移している。過去4回のドル高・円安基調の中で、40営業日以降のドル反発率が2%を大きく下回った例はほとんどなかった。
その意味では、すでにドル高基調が始まっているなら、今後終値で80円を下回る確率は少なくなり、逆に今後も80円を大きくドルが下回ってくるようなら、まだドル高へ基調転換していない可能性があるといえるだろう。(了)

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2011.05.12 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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