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ユーロの行方を左右する「2つの鍵」

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

ユーロドルが先週、1.5ドルから1.43ドル割れ近くまで大きくユーロ安・ドル高となりました。では、今後の行方についてどのように考えたら良いかについて、今回は検証してみたいと思います。

◆ユーロ急落は自滅だったのか?!
6日発表された米4月雇用統計は、失業率こそ前月より悪化したものの、NFP、雇用増加数は事前予想より良い結果となりました。こういった中で全体的にドル買いの流れとなったわけですが、とりわけユーロドルは一気に1.43ドル割れ近くまで大幅なドル高・ユーロ安となりました。
これは、雇用統計の影響以上に、ギリシャのユーロ脱退観測といったユーロ自滅の材料が影響したとの理解が一般的だと思います。それにしても、最近のユーロは欧州財政不安など自滅材料への反応がすこぶる鈍くなっていたわけですが、今回はこれまでと比べ物にならないほどのユーロにとっての悪材料だったのでしょうか。
その可能性もなくはないと思いますが、それ以上にユーロが悪材料に反応しやすくなっていたということが大きかったのではないでしょうか。どういうことかというと、一つにはユーロが「買われ過ぎ」、一方ドルは「売られ過ぎ」で、ユーロ売り・ドル買いに反応しやすくなっていたということです(「資料1」、「資料2」参照)。
そしてもう一つ、ユーロと基本的に正の相関関係にある原油が急落していたという要因もじつは見逃せないでしょう。原油価格は、4月末からの1週間余りで113ドルから97ドルへ15%もの急落となりました。とくに、金曜日は、さっき述べたように米国の雇用増加数が予想より良く、景気楽観論から株高となったにもかかわらず原油価格は続落しました。
こんなふうに、基本的に同じ方向に動きやすい原油価格が急落していたことは、ユーロが悪材料に反応し、急落しやすいもう一つの要因だったと思います。

◆鍵はポジション調整で「原油」
以上のように考えると、今後のユーロドルの行方は、ギリシャなどの要因以上に、ユーロ「買われ過ぎ」、ドル「売られ過ぎ」の修正がいつまで続くかと、そしてもう一つ原油価格下落がいつまで続くかが重要になるでしょう。
後者、原油価格については、バブルだったとの見方も一部にあります。そうであれば、原油価格の下落も予想以上に長引く可能性があるので、ユーロ反落の行方を考える上でも重要なポイントになりそうです。(了)


<資料1>
20110509_1.gif

<資料2>
20110509_2.gif

2011.05.09 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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