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「二番底」と「底割れ」の岐路になる5月

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

ドルは4月初めに85円を超えるまで上昇しましたが、月末にかけて81円まで反落しました。このドル反落が、あくまで大底は打ったという上での「二番底」を確認する動きなのか、それともドルは底割れに向かっていくことになるのか。その見極めが、この5月の為替予想を考える上で最大の焦点になるでしょう。

◆鍵を握る再介入
 さて、「二番底」か底割れか。その「審判の時」は、そんなに先のことではないと思います。経験的には、二番底は一番底から1カ月余り経過したところで確認するものです。今のところの一番底は3月中旬でしたから、あくまで二番底なら5月前半中にも決着がつきそうです。
逆にいえば、5月後半以降もドル下落が止まらず、一番底の76円台を大きく割り込んでいくようなら、じつはドルはまだ大底を打っていなかった、ドル安・円高は終わっていなかったということになってしまいます。
ところで、前者、つまり「二番底」ということなら、再度の円売り介入が鍵になりそうです。今回、ドルが76円台で底打ち、急反発に転じたきっかけは、約16年ぶりに行われた円売りのG7協調介入でした。この16年前も、協調介入をきっかけにドルは大底入れとなったのですが、二番底のきっかけも協調介入が再現したことだったのです。
16年前の1995年、ドルは4月19日に79.75円で大底を打ちました。いったん87円まで反発しましたが、5月末には81円台までドル反落。これに対して「資料」のように日米などが円売り協調介入に再出動となったことがきっかけでドルは「二番底」を確認、あらためて反発に向かったのです。
今回も、G7は「震災に関連した最近の為替の動きを懸念する」として、円売り協調介入に出動し、ドルは急反発に向かいましたが、あらためて介入した水準までドル安・円高に戻ってきました。ここで、ふたたび介入があるかは、二番底を確認する一つの目安になるでしょう。

◆ドル高は先取りか、先走りか?!
では、協調介入でも、日本の単独介入でもあったら、ドルは「二番底」を確認することになるでしょうか。私はその可能性が高いと思っています。2007年6月から続いてきたドル安・円高はすでに4年近くに達し、3年程度といったドル安・円高の平均継続期間を上回っていたことから、いつ終わってもおかしくない段階に入っていたわけです。
そういった中で東日本大震災が起こったわけですが、これによってこれまで円高の大前提になっていた日本の貿易黒字は急減に向かい、比較的早い段階で貿易赤字に転落する見通しとなりました。
相場はファンダメンタルズの変化を先取りする傾向があるので、円高の大前提が変化することを先取りし、円高から円安へ転換が始まっている可能性は十分あると思っています。(了)


資料

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2011.05.02 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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