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「ユーロ本位制」から「原油本位制」へ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

昨年の株価は、ユーロと不気味なほど相関性の高い状況が長く続いた。そんな「ユーロ本位制」は、昨年暮れで終わった。その上で最近は、原油価格との相関性が高い「原油本位制」の構図になり始めているといえるかもしれない。

◆金融市場を支配する原油の動向
NYダウは2月下旬にかけ1万2400ドル手前まで上昇した後に、急反落となった。これはまさに原油価格が、リビア情勢への懸念などから100ドルの大台突破へ急騰に向かった局面だった。米株の動きが、かなり原油相場の動向に支配されるようになっているといえそうだ。
昨年、米株の動きを支配したのはユーロだった。ユーロドルとNYダウの動きは、昨年4月から11月にかけて高い相関関係が続いた。本来的にユーロと米株の間に因果関係があるとも思えないが、それだけ昨年展開したユーロ危機への関心が高く、その結果影響力が大きかったということだろう。
このようなユーロの動きが米株の動きを支配する「ユーロ本位制」ともいえるような構図は、昨年11月で終了。その後は、昨年末から一時、アイルランドの財政懸念などをきっかけにユーロ危機第2幕かといった展開になった際も、米株は高値更新へ向かうといった具合に、ユーロ危機からの卒業が確認された。
このように見てくると、歴史的な展開に向かっている中東・アフリカ情勢を受けた最近の原油高騰は、世界的に注目されるテーマだけに、それが米株にも影響力を発揮しているというのはわからなくない。「ユーロ本位制」から「原油本位制」に変わっているともいえるだろう。
問題はこれがいつまで続くか。昨年の「ユーロ本位制」は半年以上も続いたが、「原油本位制」に金融市場が慣れ、本来的に因果関係の薄い一つのテーマに支配された構図がどれだけ続くかが焦点だ。

◆原油高は投機筋が主導
そんな原油(WTI)は、投機筋の買い越しが空前の規模に拡大している。ヘッジファンドなど主要な投機筋の取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、WTIのポジションは、2月末に買い越しが初めて20万枚の大台を突破、さらに3月1日現在では27万枚まで拡大した。
WTI価格は、2008年7月には147ドルまで急騰したことがあったが、この時でもWTI買い越しは15万枚を越えなかった。それを考えると、今回はいかに投機筋の買いが膨らんでいるかがよくわかるだろう。世界的な景気回復を受けた需要の拡大以上に、投機主導の原油高になっている面がありそうだ。
世界的に食料価格や資源価格が高騰する中で、G20など国際会議でも商品先物市場の監視強化、規制強化を巡る議論が続いている。今後はそれらの具体化についても一段と注目が高まる可能性があるだろう。(了)

【参考リンク】
*注1.WTIのポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=2&CODE=WTI#osata

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2011.03.14 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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