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「中東ドミノ」と「悪夢の2月下旬」

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

エジプトで約30年もの長期政権となったムバラク政権が崩壊するといったビッグニュースとなった動きは、その後も中東、バーレーン、さらにリビアなどに広がるなど、依然としてくすぶり続けている。とても大きな動きになる可能性があるため、一口に金融市場への影響を語るのも難しいところだ。

◆中東ドミノの「影の主役」
いずれにしても、この一連の動きの背後にあり、とても重要なポイントになっているのは2011年末、今年の年末まで予定されている米軍のイラクからの完全撤退だということがかなり一般化してきたようだ。あの、2001年9月、「9・11」同時多発テロ、その後のイラク戦争から続いてきた米軍のイラク駐留が完全に終わることで、中東の安全保障リスクは大いなる不透明に突入する、その中で混乱のドミノ現象が起こっているという認識が必要だろう。
その中で、重要なポイントは、1978年、キャンプ・デービッド合意から続いてきたエジブトの反イスラエル政策転換に伴うイスラエル孤立化回避、中東軍事衝突回避といった局面がふたたび転換することになるかということ。世界一の石油生産拠点、中東での有事リスク再燃で、1979年、イラン革命以来となる第三次オイルショックを引き起こす可能性すらあるだろう。
ところで、あの2008年7月に、原油価格が150ドル突破寸前まで暴騰したことをすでに第三次オイルショックだったと言う人もいる。あの当時の原油価格は、米ドルと逆相関、その結果、ユーロと「正の相関」となっていた。原油価格が150ドルに向かう中で、ユーロは1.6ドルまで上昇したわけだ。
その意味では、今後中東での軍事衝突再燃リスク、その結果、第三次か第四次かはともかくオイルショックも再燃、原油価格が暴騰するなら、ユーロ高をもたらすだろうか。それとも、いよいよ米国の金融緩和も終わる、つまり第三次量的緩和、QE3がないことで、米金利上昇、ドル高となるか。そこはもう少し見極めが必要なようだ。

◆「荒れる2月下旬」のパターン
そんな中東・アフリカの混乱も影響する形で、ドル円、そして豪ドル円などクロス円も2月下旬に入ってから反落が目立ってきた。これは、「2月下旬は荒れやすい」といった例年のパターン通りでもある。そしてそんな例年のパターンからすると、この荒れ相場、来週にかけてまだ続く可能性も要注意だろう。
2月中旬まで一進一退で方向感のない展開が続きながら、下旬に入ると突如乱高下に向かうというのは近年お決まりパターンになってきた。過去5年間では、「100年に一度の危機」が底打ち、反発に向かった2009年以外の4年間で、ドル円、ユーロ円はともに2月下旬に急反落となった。
この4年間では、ドル、ユーロとも、2月20日の終値に比べて、最低でも2%以上、3-4%の反落が3月第1週にかけて続いた。さて、今年も今週に入ってから相場は荒れ模様になっている。ユーロ円を例外として、ドル円は1%以上、豪ドル円は2%程度の反落となっている。これまでのところは、まったく「荒れる2月下旬」のパターン通りだ。
「荒れる2月下旬」パターンは、これまでなら3-4%の反落が、3月第1週にかけて広がるというのが基本。その意味では、まだ来週にかけて荒れる2月下旬が「もう一幕」を残している可能性もあるため、もう少し警戒が必要かもしれない。(了)

【参考リンク】
*注1.豪ドル円の90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=1&CODE=AUDJPY#osatab

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2011.02.24 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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