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ドル円の方向は米金利で決まる

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

ドル円相場は一進一退で方向感のない展開が続いています。ではこの動きはまだ続くのか、それとも方向性が出るとしたらドル高、ドル安のどちらか。そのカギを握っているのはズバリ、米金利だと思います。

◆米金利低下はクライマックスとなるか
実は、米金利には例年6月に年間の天井ないし底値をつけるといったアノマリーがあります。このため、最近にかけて続いている米金利低下も、私は6月にかけてクライマックスを迎え、上昇へ転換するのではないかと考えています。
そうなれば、米金利上昇で、これまで述べてきたようにドル高が進む見通しもより現実味を増すものと思います。ただ、そうではなくて、米金利がさらに低下に向かうようなら、ドル高の展開も足踏みしかねません。
では、6月以降も米金利は低下が続くか、それとも上昇へ転換するのか。この6月には、FRBが続けてきた量的緩和、QE2と呼ばれていますが、それが6月末で終了する予定になっています。そんなQEとの関係からすると、米金利は一段と低下に向かいかねないのです。
「資料1」は、QEと米金利の関係をまとめたものです。これをみると、昨年3月にQE1が終了すると米金利が低下に向かったことがわかるでしょう。債券市場では、そんな昨年の連想から、QE2終了後も金利低下と考えている人が少なくないようです。
ただ理屈で考えると、QE終了で金利低下にはなりません。QEとはFRBが債券を買うことですから、それが終わったらむしろ債券価格下落、利回りは上昇となるはずです。にもかかわらず、QE1終了後に金利低下となったのは、QE終了後にいわゆる出口政策の議論、利上げ論議を急ぎすぎた結果だったとFRBは反省しているようです。
この反省に立って、最近のFRBは今度は出口政策、利上げへの転換に必要以上に慎重になっているということでしょう。そんなFRBの学習効果がきいた行動が成功する結果、今度のQE2終了後は、QE1終了の後とは異なり、金利低下とはならないと私は考えています。
米ドルの総合力を示す実効相場を見ると昨年は前半ドル高、後半ドル安ときれいにわかれたことがわかります(「資料2」)。そんな後半ドル安を後押ししたのが、これまで見てきたQE1終了後の米金利低下だったわけです。
その米金利が、今度のQE2終了後は低下しない、むしろ底打ち、上昇へ向かうなら、ドル高見通しは一段と広がりやすくなると思いますので、その辺りが6月にかけてのポイントになると考えています。(了)

<資料1>
20110526_1.gif


<資料2>
20110526_2.gif

2011.05.26 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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