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QE終了後の金利低下、今度は?

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

4月に入ってからドル下落が目立ってきた。対円では先週一時81円台へドル反落。そしてユーロドルも、一時1.41ドル台までドル高・ユーロ安となったものの、先週は一転して1.46ドル台まで大きくドル安・ユーロ高となった。このような最近のドル安の背景にも、FOMC(米連邦公開市場委員会)との関係は一つあるかもしれない。キーワードは「QE(量的緩和)のアナロジー」だ。

◆QEと金利の関係
現在、6月までということで、QE2、つまり第二次量的緩和策が続いている。ところで、QE1、第一次量的緩和が終了した後は、米長期金利は大幅な低下に向かった。このため、QE2終了が近付く中で、QE2が終わったら、あのQE1終了の後と同じように米長期金利は低下に向かうのではないかとの連想が働いているようだ。
米金利とドルは一定の相関関係がある。このため米金利が低下に向かう中で、ドルも下落が続いているということではないだろうか。
ところで、このQE1とQE2のアナロジーについて、「資料1」で確認してみよう。QE1は2009年3月から始まった。米国債購入策であるQE1が始まったら、債券価格上昇で利回りは一段と低下しそうなところだが、この「資料1」でわかる通り、実際には金利は上昇へ向かったのである。
そして、そんなQE1は、MBS購入終了により2010年3月で完了した。FRB(米連邦準備制度理事会)による米国債等の購入がなくなったら、需給的に債券価格は下落、利回り上昇となりそうだが、実際には利回りは低下に向かった。
さて、QE2は、昨年11月に始まった。「資料1」でわかる通り、その後米金利は上昇へ向かった。こんなふうに、QEと金利の関係は、QE開始時点ではQE1とQE2で同じだった。開始時点で同じだったのだから、終わりのところでも似る可能性があり、そうであるなら米金利は低下に向かうのではないか、そんな連想が6月のQE2終了が近付く中で浮上し、最近にかけて米金利低下、そしてドル下落となっている面があるようだ。

◆QE終了で金利低下は再現するのか
2010年3月のQE1終了後に米金利が低下に向かったのは、第一にはギリシャなど欧州財政問題が深刻化し、世界的にリスクプレミアムが拡大、株価急落へ転じたことが直接の影響だったと思う。その意味では、今回の場合も、この間の株高の流れが大きく変化するかがポイントになるだろう。
QE1についても、2010年春当時の受け止め方として、世界景気の回復は、所詮、QEのような人為的な政策に支えられたもので、いうなれば「QEという生命維持装置」を外すと意外に脆く、景気の「二番底」に向かいかねないとの見方が広がった。
「QE2」終了後も同じように景気悲観論が再燃、株安になるかは、金利・為替の行方を考える上での大きなポイントだろう。今のところ私は、景気回復の自律性が強くなっていると思っているので、QE1終了後に米金利が低下に向かったようなことが、今回はないと思っている。(了)

<資料1>
20110428.gif

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2011.04.28 | 未分類

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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