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近付いて来たドル円の「脱・小動き」

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ・吉田 恒

ドル円はこのままで行けば2カ月連続で値幅が3円未満という異例の小動きになってしまう。ただ3円未満の値幅が3カ月続いたことは過去にはないということ、そもそも3月は月間値幅平均が最大の「一年で最も動く月」ということも考えると、そろそろ「脱・小動き」も近そうだ。

◆一年で最も動く3月
2月のドル円は、これまでのところドル下値は81円を割れず、高値は84円を越えられずといったことで、値幅は3円未満にとどまっている。1月のドル円値幅も2.7円と3円未満だったため、このままで行けば2カ月連続で3円未満の小動きということになってしまう。
ちなみに、2000年以降、今年1月までの133カ月で月間値幅が3円未満だったのは1月も含めて7回しかなかった。5%の確率ということになるから、3円未満の値幅がいかに異例の小動きかがわかるだろう。また、そんな異例の小動きが2カ月続いたのはかつて一度だけ、2007年4-5月しかなかった。
ただし、2007年も6月には3円以上に値幅が拡大、さらに7月は5円以上の大相場となった。過去3カ月連続で3円未満の小動きが続いたことはなかったという意味では、3月以降は値幅の拡大に向かう確率が高いといえるだろう。
そもそも3月は、2000年以降の平均値幅が一年12カ月の中で唯一6円を越えている「一年で最も動く月」でもある。着実に「脱・小動き」が近付きつつある可能性もあるだろう。

◆28日大量ドル売りの行方
ところで、28日には、米国債の償還・利払い関連のまとまったドル売りが観測されている。先週からドル反落が拡大しているのも、この影響が一つあるだろう。ただ、この米債関連のドル売りは、「ここ数年激減している」(アナリスト)と見られている。また、28日の分についても、ヘッジ、つまり予めドルを売る動きは、すでに一段落しているとの見方が強い。
米国債の償還および利払いは四半期に一度行われるが、中でも2月と8月はその規模が大きいとされる。今月も週明け28日に、これに関連しかなりまとまった規模のドル売りが観測されている。先週にドルが82円割れとなるなど反落した理由の一つには、この米債償還関連のドル売りを予め進める動きや、それに対する思惑的なドル売りの影響もあったと考えられる。
またそれは、決して今年に限ったことではないのかもしれない。2月下旬は、ドル急落が起こることが少なくなかった。それはまさに、この米債償還関連の影響もあったと考えられる。
ただ、実際のドル売りは、28日より前にすでにほぼ消化されたとの見方が強い。また、そもそものドル売り規模も、ここ数年の米利下げなどの影響により激減しているとされる。上述のように、ここ数年も2月下旬にドル急落となることが多かったものの、そのドル安は3月第1週に一巡。その後3月はむしろドル反発に転じるのが基本だった。これも、2月末の米債償還に絡むドル売り思惑の反動といった面は小さくなかったのかもしれない。(了)

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2011.02.28 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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