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「ユーロ危機再燃」はこれから試される

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

ユーロが1.32ドルまで反落となったことで、この間の短期上がり過ぎ、買われ過ぎはほぼ修正された。今後は新たな欧州財政危機が注目される中で、「下がり過ぎ」、「売られ過ぎ」拡大に向かうかが焦点だ。

◆ユーロ上がり過ぎは是正された
ユーロドルの90日移動平均線からのかい離率は、1.4ドルを大きく超えたユーロ高が進んだ局面で、プラス10%近くまで拡大した。これは経験的にユーロ上がり過ぎの限界圏だった。その意味では、最近にかけてのユーロ反落は、上がり過ぎ修正に伴う動きといえる。
ちなみに、ユーロドルの90日線は、26日現在で1.33ドル程度。つまり1.33ドル前後までユーロが反落したことで、上がり過ぎはほぼ是正されたことになる。1.33ドルを大きく割り込みユーロ安が広がるようだと、今度は「下がり過ぎ」の拡大が試されることになる。
同じようなことがポジションについてもいえるだろう。CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、ユーロのポジションは10月中旬には5万枚近いネット・ロング(買い持ち)となった。これは約1年ぶりの大幅なユーロ買い持ちで、財政懸念などを抱えた中では「買われ過ぎ」が懸念される動きだった。そんなユーロのネット・ロングは、11月16日現在で1万枚割れとなった。つまりユーロの「買われ過ぎ」はほぼ是正されたわけだ。
こんなふうに、この間のユーロ下落は、上がり過ぎ、買われ過ぎ修正の結果でもあった。アイルランド問題など欧州財政懸念があらためて注目されているが、本当にそれに伴う「ユーロ離れ」が広がるかは、これから「下がり過ぎ」、「売られ過ぎ」拡大に向かうかで試されることになる。

◆今年3度目の月間値幅1000ポイント
それにしても、ユーロが相変わらずよく動いている。今月のユーロ高値は1.42ドル台だから、先週までに1.32ドル台へ急落したことで、今年3度目の月間値幅1000ポイント(0.1ドル)となった。動かないドル円と対照的だが、一方で「動き過ぎ」も頭をかすめるところではある。
ユーロの今月の対米ドル高値は、4日に記録した1.428ドル。ところが、先週は一気に1.32ドルへ急落したことで、今月の値幅はすでに1000ポイントに拡大してきた。これは、11月のユーロドル値幅としては過去最大だ。
ただ、ユーロドルの値幅は2008年以降急拡大している。月間値幅平均は2008年が900ポイント超、2009年も700ポイント超といった具合。この2-3年、ユーロドルの月間値幅は700ポイント以上が普通といえるように乱高下が常態化しているわけだ。
今年に入ってからも、5月には1200ポイント、9月も1000ポイントといった具合に、すでに10カ月で2度も月間値幅が1000ポイントを越える大相場になっている。一方で、ドル円の今年の月間値幅平均が400ポイント程度にとどまっていることに比べると値動きの差は歴然だ。 (了)

【参考リンク】
*注1.ユーロのポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=1&CODE=EUR#osatab

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2010.11.29 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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