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米金利上昇アナロジーはいつまで続くか

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

11月FOMC(米連邦公開市場委員会)の後から続いていた米長期金利急上昇が、3%の大台を目前にして一服している。こういった動きは、今回と同じように米長期国債購入を決定した2009年3月FOMC後の米長期金利の動きと良く似ている。この先もこの似た動きが続くなら、米金利上昇一服は12月にかけてまだ続くが、一方で上昇自体終わったわけではなく、目先の金利も2.7%を大きく下回る可能性さえ微妙ということになる。

◆3%の大台は簡単に超えない?!
11月FOMCでは、量的緩和第2弾(QE2)として、長期国債購入を決定したが、その後長期国債価格はむしろ急落、利回りは急上昇となった。ところで、FOMCが長期国債購入を決定したのは2009年3月にもあったが、この時も今回と同じように米国債価格は下落、利回りは上昇に向かっていた。
ところで、この2009年3月FOMC後の米長期金利上昇は、今回のFOMCと同じく2.5%程度から始まったが、3%の大台突破目前で一息ついた形となった。今回の場合も、3%目前で米金利上昇は一服した感じになっているが、これも含めて両者は良く似た展開が続いているということになる。
ここまでの展開が似ているから、今後も似た展開が続くと仮定すれば、米長期金利上昇一服はもうしばらく、12月中旬にかけて続くといった見通しになる。今回の米金利急上昇は、11月に入ってからのドル買い戻しが全面的に広がる主因となった。その意味では、ドル買い戻しを巡る環境が微妙に変化しているといえそうだ。
ただし、この2つのFOMC後の似た米金利の動きがまだ続くなら、米金利上昇はまだ終わったということではなく、目先も2.7%すら大きく下回る可能性は低いといった見通しになる。その意味では、米金利低下でドル売りがどんどん広がるといったシナリオも、基本的には考えにくいようだ。

◆金利上昇で進む日本株割安修正
このような金利上昇局面で日本株の割安修正が広がってきた。米株に対する日本株の相対感を示すTS(TOPIX/S&P)倍率は、11月4日に0.66で底打ちとなり、23日には0.74まで上昇してきた。これまでは、逆に金利低下局面で日本株の割安拡大となっていた。
このように金利低下局面で日本株は割安拡大となり、一方金利上昇局面で割安が修正されるのは、そもそも日本株が世界で最も景気敏感だからと考えると辻褄が合う。景気敏感な日本株は業績相場の反応が基本となり、業績回復・金利上昇局面では株高、逆は株安となりやすい。この結果、いわゆる金融相場で金利と逆方向の動きもある米株と比べると、金利低下局面では日本株割安が拡大し、金利上昇局面ではその是正が広がりやすいというわけだ。
さて、このような前提から、この先も金利上昇が続くなら、日本株割安是正はまだ続くとの見通しになるだろう。そもそもTS倍率は、記録的な水準まで低下していたが、これまでの安値0.8倍程度まで戻るとして計算すると日本株はさらに10%程度は上昇が見込まれる計算になる。 (了)

【参考リンク】
*注1.日経平均の90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=4&CODE=NKY#osatab

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2010.11.25 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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