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米金利とドル、「間違い」はどっちだ?!

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

G20財務相・中央銀行総裁会議終了後もドル安の流れが変わらないのは、11月FOMC(米連邦公開市場委員会)での追加緩和思惑によるとの解説が少なくない。ただし、米長期金利はこの2週間で反発傾向となっており、続落するドルとのかい離が拡大している。

◆ドルと米金利のダイバージェンス
米長期金利とドル(対円相場)は相関性が高い。とくに4月から、ドルが95円手前から下落してきた動きは、米長期金利が4%から低下してきた動きとおおむね重なり合うものだった。
ところが、そんな米長期金利とドルとの相関性が、過去2週間崩れている。止まらないドル下落を尻目に、11月FOMCでの追加緩和観測が変わらない中でも、米長期金利は過去2週間下げ渋り、反発傾向となってきた。その中で、ドルと米長期金利のかい離は、今年の最大規模にまで開いてきた。
では、ドル下落と、米長期金利反発のどちらかが「間違っている」のだろうか。かりにドル安が「間違っている」なら、ドルは83円を大きく越えて反発する可能性があるし、そうではなくて「間違っている」のが米長期金利だとしたら、米長期金利はふたたびこの間の安値を更新し、2%に向かう可能性があるだろう。
ドルと米長期金利のかい離が拡大したのは9月中旬にもあった。この時は、日本の6年ぶりの円売り介入をきっかけに、このかい離は修正に向かった。さて、今回はどうか。

◆ドル「売られ過ぎ」修正パターン
ところで、CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、米ドルのポジション(非米ドル主要5通貨のポジションをもとに試算)は、10月5日にネット・ショート(売り持ち)が17.2万枚まで拡大したところでピークアウト、その後は2週連続で縮小となった。
経験的には、米ドルのネット・ショート拡大は、15-20万枚で売られ過ぎの限界に達し、拡大一巡となる傾向がある。2004年以降の米ドルのネット・ショートのピークは、2004年11月の20万枚、2006年5月の20.2万枚、2007年10月の20.8万枚だ。
これを見る限り、米ドル売りはヘッジファンドが中間、本決算期末としている5月、11月のタイミング、そしてネット・ショート20万枚程度で一巡し、反転に向かうパターンがあることがわかる。その意味では、今回の場合は、もうドル売りがクライマックスを経て反転に向かっているのか、それとも11月にもう一幕残しているのか、どちらかの局面にあると考えられる。
いずれにしても、これまではドル売られ過ぎが一巡し、その修正が本格化する場合は、一カ月程度の短期間に5%前後のドル反発が起こるのが基本だった。これまでのところのドル安値は対円で80.4円、対ユーロで1.416ドル。これをドル安値として、すでにドル売られ過ぎの本格修正に入っており、5%前後のドル反発が展開するなら11月中に85円、1.35ドル前後のドル高になるといった計算になるが、果たしてどうか?(了)


【参考リンク】
*注1.米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=L&mht3=3&CODE=USGG10#osatab

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2010.10.28 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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