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日本の為替介入を徹底検証する

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

日本は9月に、約6年半ぶりの円売り介入を行った。これは一日で2兆円弱にも達する大規模介入だったとの見方が強い。では、介入の規模、回数などは、時代的にどんな変化を辿り、その中で今回の介入はどのような「評価」が妥当なのかについて考えてみよう。

◆頭抜けていた2003、2004年の介入
 下の表は、年間の為替介入トップ5をまとめたもの。これをみると、為替介入額が最も多かったのは2003年、続いて2004年だった。
 2003-2004年は、日本経済のデフレのピークだった。物価が下がる中で通貨高が容認できないというのは、経済学の基本。そこで、前例のない円高阻止介入が展開したわけだ。
 ところで、これに続く介入額第3位は1999年だった。そして第3位は1995年。この1995年は4月に80円まで円高が進んだ年。そんな「超円高」への対抗と、それを是正するために介入額も拡大したわけだ。
 それでも1999年よりは介入額が少なく、2003、2004年に比べるとはるかに介入額が少なかったのは、為替市場の拡大とともに相場へ影響力を与える介入額はどんどん大きなものが必要になっているということではないだろうか。

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◆「9・11」介入は月間介入額の第6位
 次に、月間介入額のトップ10について見てみよう。これは、ある意味でとてもわかりやすい結果といえそうだ。トップ5までを2003、2004年の「異常な介入」局面が独占するなど、トップ10のうち2003、2004年から6つがランクインした形となっていたのである。
 2003、2004年の介入以外で、月間介入額が大きかったのは2001年9月だったが、これは「9・11」、米同時多発テロ事件を受けたドル急落を回避するための介入局面だった。

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◆「ミスター円」が起こした介入革命
 ところで、ちょっと視点をかえて、日本の通貨政策の責任者である財務官では、誰の介入額が多かったのかを考えてみよう。財務官就任時の介入額が突出して多かったのは溝口氏。溝口財務官時代は、2003-2004年の「異常な介入」局面とほぼ重なっていたため、当然の結果といえるだろう。
 この溝口財務官は、介入回数でもトップだった。ただ、1回の介入当たりの金額、平均介入額のトップは、99年から2003年まで3年以上もの長きにわたり財務官をつとめた黒田財務官だった。そしてそれに続いたのが、「ミスター円」、榊原財務官となっていた。
 榊原氏が「ミスター円」と呼ばれたのは、超円高是正に成功したことが大きかったのだが、これは1995年の話であり、当時の榊原氏は通貨政策の事務方ではナンバー2の国際金融局長(現・国際局長)であり、財務官は加藤氏だった。
 この加藤財務官から、平均介入額は、それ以前に比べて急増している。その意味では、「ミスター円」榊原氏の登場により、日本の為替介入の手法も大きく変わったということはいえそうだ。(了)

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2010.09.27 | FXレポート

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吉田 恒(よしだひさし)

プロフィール

吉田 恒(よしだひさし)

吉田 恒(よしだひさし)
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、 T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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